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困り事14つ目 ページ15

「行かないで!」

そう確かに叫んだのに、景くんは全然止まってくれなくて、階段を駆け上がりながら「表!!桜!!!」とだけ言って、炎の中に消えてしまった。

分かってる。頭では分かってる。景くんは犯人を死なせない為に助けに行ったんだ。分かってる。警察官として、人間として、当然の事をしようとしている。分かってる。

でも、熱いんだ、火の中は。熱くて苦しいんだ。煙草を押し付けられるよりも、裸に剥かれて煮え滾る湯を頭から被せられるよりも、ずっと痛くて苦しいんだ。ぼくはずっと昔にお腹に火を少しの間当てられただけだけど、熱くて痛くて苦しかった事はよく覚えてる。それなのに全身を炎に囲まれるなんて。

「おい津守モタモタしてんな!表出ろ!」

「結!行こう!諸伏は絶対助かるから!…ッ、結…?」

「お前、なんて顔して…いや、いい、僕が連れて行くからお前たちは先に準備していろ!僕も連れて行ったらすぐに手伝う!」

そう言うやいなや、降谷さんはぼくを肩に担いで店を出て、すぐにぼくを地面に落として、景くんを受け止める為に教場旗を構えている3人に合流した。

暫く経たず、硝子の割れる音と共に、景くんと犯人が落ちて来た。

「ぁ」

4人があの2人を受け止める。

その後、旗をゆっくりと下ろして降谷さんは景くんを助け起こし、伊達班長は犯人を確保、研二くんが所轄の警察署に連絡して、松田さんは教場旗を畳んで再び身体に巻いていた。

「景くん」

「結もありがとね、心配してくれたんでしょ。そんな顔しなくてもこの通り怪我もないからだいじょ」

「バカ!!!!」

「おわっ?!」

「バカバカバカバカ!!!景くんのバーーーカ!!」

ぎゅうぎゅうと抱き着いてバカバカバカと何度も唱える。死んじゃうかと思ったなんて言ってやらない。心配したなんて言ってやらない。

精々訳が分からないままぼくみたいな社会のゴミから罵倒を受けてたらいいんだ。本当にバカな人!

「結は天使だからバカしか人を貶す言葉知らないの???」

「そんなことないし!!!クズ!ろくでなし!穀潰し!」

「結はそんなこといわない」

「…まぁ今回は全面的に景が悪い。謝れ。全力で。僕たちにもな」

「心配かけてごめんねぇ結!!!」

「おい」

「無傷なので許します」

「かわいい」

「無視するなお前…!」

「あはは、冗談だよ。ありがとう、皆。本当に」

パトカーのサイレンが近付いてくる。犯人を引き渡して、漸くほっと出来た。

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(プロフ) - ついに親友公開と爆処組に真実を、!!高木ほんと優しい…萩と松田も…更新楽しみにしてます!! (2022年6月6日 5時) (レス) @page45 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。更新頑張ってください❗ (2022年5月6日 18時) (レス) @page33 id: b70e4d72d6 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - またの更新楽しみにしています! (2022年5月2日 19時) (レス) @page33 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
れぃと(プロフ) - おっ…!?ついに、ついにか……!? (2021年7月5日 22時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - 夢主くんは幸せにして欲しい… (2021年7月4日 23時) (レス) id: b4c500a793 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年5月13日 12時

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