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困り事23つ目 ページ24

成人式に両親は当然ながら来なかった。

式典には以前いつか必要になるからと同期の彼らに勧められて購入していたスーツ一式を着用した。友人と呼べる存在も居ないため参加は見送る予定だったが、慕っている兄貴分の研二くんに写真を期待されているとなれば出席しない訳にはいかなかった。

成人式の数ヶ月前に届いていたハガキは両親に処分されていたが、生年月日と名前で本人確認ができれば会場に入ることができたため、入場自体は特に問題なく、隅の方の目立たない席に座ってぼんやりしていた。

ああ、写真はどうしよう。自撮りなどという器用なことは出来ないし、誰かに撮ってもらうにも誰に声を掛けるべきかわからない。祝辞や記念の催しなどがどんどん進んでいくなか、そんなことを考えた。なお、催しは学生時代の写真や動画などを集めて纏められていたり教師からのメッセージなどが収録された記念DVDの鑑賞だった(ぼくは殆ど映っていなかったが)。

催しが終わったあと、同級生たちは皆外で各々友人たちと写真を撮ったり久々の再会に喜びあったり、駆け付けた先輩や後輩と会話したりしていた。ぼくは写真というノルマをどうするかなぁと迷っていると、誰かが声を掛けてきた。

「結くん、成人おめでとう」

一つ歳上の親友の彼だ。どうしてここに居るんだろう。首を傾げながらも彼の傍に寄ると、隣には親友の両親である2人も居た。昔から彼らはぼくを気にかけてくれていたが、まさか成人式に駆けつけてくれるほどとは思わず驚く。

「どうしてここに?」

「結くんの晴れ舞台だからお祝いしたくて。これ、成人のプレゼント」

「ぷれぜんと…ぼくに?」

「そうだよ。気に入ってもらえるかわからないけど…」

プレゼント、贈り物!予想外の出来事に心臓が跳ねる。落ち着け、落ち着け、と心を鎮めようとする。ああダメだ、胸がソワソワして落ち着かない。プレゼントとは何度もらっても緊張するものだ。

「ぁ、開けてもいい?」

「もちろん!」

にっこりと笑う親友を見て、彼の両親を見て、それから渡された袋を見る。中には手の平ほどの大きさの黒いプラスチックの箱が入っていて、それを開けると黒いケースが出てきた。早鐘を撞く心臓は言うことを聞かなくて、ドキドキしながらケースを開けた。

「時計…?」

中身は銀色の時計だった。多分、親友の手首に付けられているものと同じタイプ。

「どうかな?」

「すっごくうれしい…!」

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(プロフ) - ついに親友公開と爆処組に真実を、!!高木ほんと優しい…萩と松田も…更新楽しみにしてます!! (2022年6月6日 5時) (レス) @page45 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。更新頑張ってください❗ (2022年5月6日 18時) (レス) @page33 id: b70e4d72d6 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - またの更新楽しみにしています! (2022年5月2日 19時) (レス) @page33 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
れぃと(プロフ) - おっ…!?ついに、ついにか……!? (2021年7月5日 22時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - 夢主くんは幸せにして欲しい… (2021年7月4日 23時) (レス) id: b4c500a793 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年5月13日 12時

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