ツンデレ37 ページ37
何だかんだ業務終了時間。
私?勿論残業ですけど?
散々叱られて書類数枚残ってるね?
ヒィヒィ云い乍手を動かしていると中島君が現れて“自業自得ですよ”と笑って鏡花ちゃんと仲睦まじく帰っていった。
それ云う為だけに奥の方の事務員の机に来たの?え?中島君嘘でしょ?
「うわ眠…」
あと二枚。
頑張れ私。
夜勤の事務員達が来てるからってへこたれるな。
終わったらあくちゃんと銀ちゃんに会える。
あっ、待って俄然やる気出てきた頑張ろ。
「アンタ無理し過ぎるンじゃ無いよ」
「与謝野さん。有難う御座います!」
与謝野さんが紅茶を下さった。
嗚呼、優しさが身に染みる。
紅茶美味しい……。
「ったく、彼奴等も何で素直になれンかねェ…」
「あはは…何時からあんなに嫌われちゃったんですかねぇ…」
ゆらりと視界が揺れる。潤む。零れる。
「柚、大丈夫かイ?」
「っ、はい!大丈夫です!」
「無理すンじゃないよ。其に、先刻も云ッたけどね、彼奴等は素直じゃ無いだけでアンタを嫌ってなんか居ないンだよ」
ぐしぐしと目を軽く擦ると、ほろりとまた流れた。
与謝野さんが手巾で拭って呉れる。
優しい与謝野さんの言葉だからこそ、私は心底安心出来て、その後、直ぐ様書類を終わらせた。
「じゃあまた何かあったら云いな。妾は何時でも相談受けるからね」
「有難う御座います!じゃあお先に失礼しますね!」
「マフィアには気を付けな!」
「はーい!」
よし、バーへゴー。
やっと癒しが。うふふと心の中で笑いながらバーへ向かって歩き出した。
厭、歩き出そうとした。
「……えっ」
昇降機が開いた途端に突然誰かが私の腕を引っ張った。
「ふぎゃっ?!!」
引かれた衝動で体制を崩し相手に抱き着く形になる。
えっ、お胸が無い。
男って事でファイナルアンサー?
恐る恐る目を開けると、真逆の森さん。
いつもの白衣じゃない。
「えっ、あの……」
「済まないね、少しばかり来て貰えるかな」
「でも私あくちゃん達と飲む約束が…」
「大丈夫だよ、目的地は其処だ」
抱き着いた侭なのに気付き急いで離れて歩き出す。
エリスちゃんも居る事にその時気付いた。
「柚はチューヤもアクタガワも知ってたのね!吃驚したわ!」
「あはは…彼等は二年前からだけどね…」
「武装探偵社よりも付き合いは長いのだねぇ」
クスクスと笑い乍云う森さん。
嗚呼、知った事を知っているんだと私は察した。
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かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
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