ツンデレ34 ページ34
「ボクだって男なンですからこの位は当然ですよ。其とも車道側が良かったですか?」
「まぁ歩き慣れてはいるけどね」
だって鏡花ちゃんとか与謝野さんとかナオミちゃんとか春野さんに車道側歩かせてたら私が落ち着かない。
レディは安全な方に居て貰わなきゃ誘拐される。
「はぁ……」
「谷崎君疲れてるね。私持てるし先帰って良いよ?」
「莫迦ですか?」
一刀両断。
何で。
「何で女性を一人残して行かなきゃ不可ないんですか」
「君から名前とゴリラ以外の私を現す言葉聞いたの久し振りで私嬉しい」
「巫山戯ないで下さい」
「ごめん」
笑って云ったら顔を逸らされてしまった。
えっ、何かごめんめっちゃごめん。
「……ほんと鈍いですよね」
「?何が」
「いえ何でも」
何か莫迦にされた気がしたから空いた方の手で叩いたら“ゴリラは痛いんですから止めて下さい”って云われた。酷い。
「……………あ」
不意に谷崎君が声をあげる。
其につられて彼の視線の先を見ると、あくちゃんが居た。
指名手配犯こんな真昼間に堂々と歩いてて良いのか。
取り敢えず私はこんな所で滅多に逢う事の無い人を見て、嬉しくなって駆け寄った。
「あーくちゃーん!!」
顔を上げたあくちゃんが腕を広げる。やった。
私は飛び込んだ。お菓子は守ってる!大丈夫!
「あくちゃんと銀ちゃんの匂いーあー」
「如何しましたか、後ろの探偵社の男から物凄い殺気が見えますが」
「気にしなくて良いよー」
「そうですか」
表情は見えないが、声で心配とか色々して呉れているのが伝わる。
ええ此はもう重ねた日々ですね。
「……離れろ」
「…と云っておりますが」
「今はプライベートだから」
きりっとした顔で後ろを振り向き云うと、谷崎君の顔が余りにも怖かった為、そっと離れた。
あくちゃんは谷崎君を一瞥し、合点がいった様に目を閉じ、また開けた。
「帰りますよ」
「先帰ってて良いよ、私もう少し話してから行くね」
「駄目です。残業する心算ですか」
「其は駄目です。何時もの店で銀達と待っています故、戻って下さい」
渋々頷く。
其から、私は谷崎君に腕を強く引かれ、あくちゃんと別れた。“腕がちょっと痛いなぁ〜”と云えば“黙って下さい”と一蹴された。
そして、すれ違う瞬間、二人の視線が交錯する。
『僕は負けぬ』『ボクは負けない』
男の子って難しい。
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かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
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