ツンデレ30 ページ30
その後は普通にお酒を飲み乍ご飯を食べて、まぁ毎度の如く酔い潰れたかな。
「ますたぁー!お金置いときますねぇ」
フラフラした足取りだった為に銀ちゃん達が心配だと云ったが、“私みたいなゴリラどうせ誰も気にしないしぃ”と帰らせた。
夜道をよたよた帰路に着く。
しっかりと踏んばって歩くにもよろよろとした足取りになって、思う様に進まない。
「ほんっと、なぁにがゴリラよ。せめてメス付けろっつーの」
曇っている為、街灯だけを頼りに歩く。
嗚呼暗い暗い。数メートル先が見えない。
一人で歩く道には慣れているけど、こんなに暗い事は余り無い。
風が吹く街、私達が生きている街を改めて見たくなって、少し見晴らしの良い所に行こうと思い立つ。
「おー……」
夜中の街の光が見える。綺麗だ。
夜勤だよね?皆夜勤なんだよね????
そんなサービス残業とかじゃ無いもんね?
無理は禁物だよ?
夜景の光は社畜の光……(遠い目)
「あー、お酒買って呉れば良かったなぁ〜」
「飲むかい?」
「ん、有難う……………って、え?」
ひやりとした缶が頬に当てられる。
受け取ると同時に気が付いたが、何故此処に居るのだろうこの人。
「阿呆面して如何したの?」
「酔いがさめる前に黙って太宰君」
カシュッと気持ち良い音を立てて缶を開ける。
太宰君も隣のベンチに腰掛けて、下の街を眺めている。
「此処にはよく来るの?」
不意に声が上がる。私だ。
「…まぁね」
「ふぅん」
ぐびっ、とまた飲む。
「そういう君は?」
「今日初めて来た」
淡々と会話が成される。
いつもみたいな軽口悪口みたいなものは無い。
不思議と落ち着いた雰囲気と距離感だった。
「綺麗だよね、この街って」
「君と違ってね」
「事実なの知ってるから止めろ」
夜景を見下ろし乍云う。
ほんと、この街は綺麗だ。
風に揺れる草木も、光り輝く観覧車も、海辺の公園も。
全部が全部、素敵な街。
魔都とは思えない。
「でも、私は思うのだよ」
「何が?」
「時も人も移ろうものだけれど、思い出だけは変わらない。だからね、」
太宰君が立ち上がり、私に近付く。
少し不思議に思い乍もまたお酒を煽った。
「君との二人きりの思い出を、なるべく増やしたい。美しい君と、この綺麗な街で、私と君だけの世界で一つの思い出を」
「………案外浪漫主義(ロマンチスト)だね太宰君」
“でも、私は皆と思い出を作りたい”
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かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
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