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漆ノ咄 ページ7

「お久し振りです、叔父さん」

叔父さん宅。
美しい奥さんもおられて、僕は少し場違い。

すると叔父さんは僕を見詰め何故か悲しそうに笑った。

「叔父さん?」

不意に二人に抱き締められた。

何で、震えているのだろう。
何で、泣いているのだろう。

僕は厭な予感がした。

「………マフィアですか?」

どうやら、事実無根な疑いが掛けられているらしい。

最後に僕に会えて良かった。
両親にも宜しく、と云われた。

僕は納得いかなかった。

「ありもしない疑いを掛けられ、抵抗無くいける程人の命は軽くありませんよ」

僕は叔父を見詰めて云った。

黒社会の事には触れたくない。
でも、家族の危機とあらば話は別だ。

「行きますか?」

腹を括った様だ。

そしてその後、二人は朝になっても帰って来なかった。
学校を休んで、それでもずっと待っていたのに。


「………行こう」

夜通し起きていた為思考が可笑しくなっていたのだろう。

僕は叔父の机を探り、マフィアの拠点への手掛かりを探して其処へ走った。

「おや、怜君じゃないか!」

太宰さんだ。

僕は会釈のみして、走った。
心臓が飛び出る位に全力で。

「此処、だよね…」

「は?餓鬼…?」

突然出てきた人に僕は手を引かれて、建物から遠ざけられた。

「手前が誰だか知らんが、此処は手前みてェな餓鬼が来る所じゃねェ。帰れ」

僕は激しく抵抗した。

此処に叔父と叔母が居るのだと。

入れて下さい。入れて──!

僕の言葉は聞き入れられなかった。

すると、不意に金髪の美しい少女が僕の元に来た。

「リンタロウ。この子じゃない?」

「リンタロウ…?」

「おや、見つけたのだね!」

「ねぇリンタロウ!私この人と遊びたいわ!」

「判ったよエリスちゃん!中原君」

「……宜しいので?此奴は」

「でもご覧、中原君。見ての通り、エリスちゃんがその気になってしまってねェ…」

「じゃあ仕方ありませんね」

ひょいっ、と僕は抱えられた。
小さい人…中原さんという人に。

……何処にそんな力が。
厭、それよりも。

「あのっ!此処に叔父と叔母が居るンです!でも誤解で!あの二人はあんな事する様な人じゃ……っ!」

「判っているよ。今しがた二人は解放させた。任務を為仰せたからね」

「…………任務?」

前を歩く中年の様なおじさんを見詰める。

「嗚呼、そうさ。二人の任務は、君を連れて来る事」


……………僕を?

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作品ジャンル:アニメ
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年10月8日 18時

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