肆拾陸ノ咄 ページ46
その頃の双黒。
「手品してる暇があったらあの悪夢をどうにかする作戦を考えろ!」
「いやぁ、無理無理。諦めて死のう!もう残った手は「一つしか無い」しね!」
「一つって……『汚濁』をやる気か?」
察しが良い。
流石は元相棒、というべきか。
「私達二人が“双黒”なんて呼ばれ出したのは、『汚濁』を使い一晩で敵対組織を建物ごと壊滅させた日からだ。ただし」
「私の援護が遅れれば、中也が死ぬ。選択は任せるよ」
「選択は任せるだと?」
「手前がそれを云う時はなァ……何時だって俺に選択肢なんか無えんだよ!」
太宰に背を向ける中原。軽い口論をする。
「女の敵!」
……其は女が云う台詞では無いだろうか。
尾崎紅葉の教養の賜物と云うべきか。
すると、太宰が不意に云った。
「上手く行けば、三人で何処かへ遊びに行こうじゃあ無いか!」
「あ?三人?」
「勿論怜君だよ」
一瞬の沈黙。
「二週間後辺りなら落ち着いてる筈だろ」
静かに云った中原の目は、爛々と輝いており、やる気に満ち溢れていた。
その顔のなんと凶悪な事よ。
太宰は、“こんな顔は怜君には見せられないな”と思ったそうな。
「汝陰鬱なる汚濁の許容よ、
更めてわれを目覚ますことなかれ!」
何処かで聞いた事のある羊の歌。
───────────汚濁発動。
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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