参ノ咄 ページ3
その日の放課後。
僕は谷崎さんに(半強制的に)連れられて、探偵社へお邪魔する事となった。
時間が時間なのか、真逆の噂に名高いフルメンバーが勢揃いだった。
然し見た事の無い人が二人。
自分よりは歳上だろうか、白髪の少年。
アホ毛の特徴的な、着物を着た少女。
「あっ、初めまして！僕は中島敦です！新しく探偵社に入りました。宜しくお願いします！」
はい、宜しくしません。
「私は鏡花。好きなものは兎と豆府。嫌いなものは犬と雷。マフィアに入って」
「鏡花ちゃん！ストップストップ！」
「……うん」
………何か察しました。
「帰って良いですか？」
軽くたじろぎつつ後ろ手にドアを開けていると、高身長の男に手を取られた。
「ああ、なんと美しく中性的なお嬢さんだ！是非私と心中を」
反射的に足が出た。
「僕は男だ、この莫迦！」
ぽかん、とする探偵社の面々を僕は不思議に思って見詰める。
………何故？
「太宰さんが蹴り飛ばされる所なんて、初めて見ましたわ」
「どうせ態とですよ」
冷ややかに見下ろしそう云う。
イテテ、と云い乍起き上がる太宰さん？に恨みを込めてもう一度蹴ろうとしたら止められた。
「ほら」
「いやぁ、先程のは驚いた。君は何処かで武道でも習っていたのかい？」
「…ええ、一応は」
初耳ですわと呟く谷崎さんを一瞥し、鞄を持ち直した。
「おや、如何したンだい？」
綺麗な女性に問われる。
「帰るんですよ」
「あ、待って下さい。探偵社に入っては…」
「お断りします」
「…厭なの」
鏡花と名乗った少女が僕の制服の袖を引く。
少し屈んで僕は云った。
「御免ね、僕と君とは住む世界が少し違うから」
するとあからさまにショゲられてしまい、流石に焦った。谷崎さんにも“あーあ”だなんて云われる。
「で、ですから僕は…！」
「諦めも肝心だぞ、小僧」
手帳を持った苦労人そうな人が云う。
僕は腹を括って彼の方を向き、答えた。
「一ヶ月、不定期に此処にお邪魔します。其で大丈夫だと判断したら、探偵社に入りましょう」
「長い、三日だ」
三週間、五日、半月、良し。
という具合で、値切り(では無いけれど)出来た。
嗚呼、疲れる…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (
レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー！ありがとー！！夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ！やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね！ (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました！最高に面白かったです！！これからも頑張って下さい！ (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
