弐拾陸ノ咄 ページ26
「はぁ…」
谷崎さんとナオミが帰って来て、更に賑やかになる探偵社。
バイトで入る前迄はこんなに賑やかな所だとは思っていなかった。
武装、と付くだけあって、筋骨隆々な方が沢山居るのだろうなぁ、と思っていた為、拍子抜けしなかったと云えば嘘になる。
いつも静かな場所に居た手前、疲れるけれど。
「お疲れさん、怜」
不意に声を掛けられる。
振り向くと、其処に居たのは、一人の女性。
珈琲だろうか、カップを差し出された。
「あ、与謝野さん…有難う御座います」
「疲れるだろうねェ?太宰の相手は」
クスリと笑う。僕もつられて笑った。
「ええ、そりゃあもう」
「太宰も嬉しいンだろうよ、アンタみたいな可愛い後輩が出来てね」
可愛い後輩…?
「中島先輩は後輩じゃ無いんですか?」
「後輩だよ。でもそういう意味じゃ無いサ。アンタが弟みたいな、って事だよ」
「はぁ…其は光栄です?」
「あっはっは!こりゃあ面白い子を連れて来たモンだねナオミも!」
何が面白かったのか、笑われてしまった。
僕は顔を赤くする。
「そんなに笑わなくても…」
「初対面で太宰を蹴り飛ばした時もこりャ凄い子が入って来たと思ったモンだよ!」
バンバンと背中を叩かれる。
痛いけど、何だか悪い気はしなかった。
何て云うか、姐御肌な方だなぁ。こんなお姉さんが居たら楽しそうだな。
「は、はぁ…」
「そうだ、アンタ前にマフィアに捕まったンだろう?怪我とかしてないかイ?」
「え、いえ…全くもって元気です」
「おや、其は残念だ」
肩を竦める与謝野さん。
不思議に思って聞いてみる。
「何、妾が治療出来なくて残念だってだけサ」
「嗚呼、与謝野さんはお医者様ですもんね!なら風邪をひいた時とか頼もうかな」
えへへと笑う。
与謝野さんはニッと笑って僕の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「わっ、や、やめて下さいよ!」
「嗚呼、済まないねェ」
「もうっ…子供扱いしないで下さい…」
「おや、厭かイ?」
「……厭じゃ無いです」
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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