スピカ (ページ10)

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「Aー！課題みしてーーーー！」
『言ってくると思ってた。はーい、どうぞ。』

元気よく話しかけてきたのは、Aちゃんの友達の有間寿々歌ちゃん。
ひたちと同じ中学校で仲良くしてる。

あ「ありがとう！！！助かる！」
『たまには、自分でもしてきなねー？』
ひ「Aちゃんそうやって甘やかすからダメなんだよ」
あ「ひ黙れ。」
ひ「ほんと酷い。」
「Aちゃん俺にもみして」
『え？笑寿々歌に貸したじゃん？一緒にみなよ。』
あ「嫌だよ。Aの課題見ていいのは私だけだよ。」
「なんだよそのルール。誰が決めたんだよ」
あ「私が決めた」
「お前なぁ～」
『まぁまぁ、まだ時間あるしさ寿々歌終わったら宮川くんにも見せてあげてね？』
あ「えー、考えとく」

有間が席に戻ったあと、Aちゃんがこっそり話しかけてきた。

『みやかわくん。これ貸してあげる。』

そうやって、俺に渡してきたのは1冊のノート。

「これは？」
『私の自習のノート。プリントまとめただけだからみれば答えわかると思う。ここに書いてあるから』
「いいの？」
『みやかわくんには特別にね。内緒だよ？』
「ありがとう。」
『いえいえ。』

そう言って彼女は席をたってどこかへ行ってしまった。
残ったのは、ノートと意味がわからないくらいにドキドキしている俺。