04 ページ5
ハッと我に返る。
気づけばもうすぐ自分の番だった。
危ない危ない。
また、変に目立つ所だった。
「式根中学校出身の宮川みです。よろしくお願いします。」
俺は、何故かとても緊張してとっても無愛想な自己紹介になってしまった。
あぁ、終わった。俺の高校生活。
折角あの子にもまた会えたのに。
全員の自己紹介が終わって少しの自由時間。
みんな中学校の頃の友達や顔見知りの人同士で楽しそうに話してる。
俺は、勿論友達もいなければ知ってる人もいない。おまけに遅刻して悪目立ちしてしまってるから話す人なんていない。
1人でペン回しなんかやってみる。
これ、俺の特技。
くるくるっとペンを回す。
ちょっとだけ失敗してしまってペンを落としてしまった。
落ちたペンはなんとあの子の元へ。
あの子はペンを拾って、渡してくれた。
「すみません。ありがとうございます。」
『いえいえ。ペン回しすごい上手ですね。
なんか凄すぎてじーってみちゃってました笑
』
え…みてたの…しかもじーっとって…
恥ずかしくなりながらも俺に少しでも興味を持ってくれた事に少しだけ嬉しくなった。
「失敗しちゃったけど…笑ありがとうございます。」
これが、俺たちの始まりだった。
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:杏仁豆腐 | 作成日時:2018年10月23日 16時