・誘われなかっただけ(+作者) ページ10
あんなが誘ったのは、いつきだった。
いつき「あ、いいですよ」
いつきは一瞬、チラッとAを見たがAは小さく頷き、微笑んだ。
いつき「じゃあ、行きますか」
そんな2人を見送り、そうたとなつきが顔を見合せた。
なつき「そうたは？誘う？」
そうた「誘う？ってなんですか？ 笑」
なつき「いや、誘うのかなー？って思って」
そうた「どうしましょう」
それでも、そうたが誰かを誘おうとしないのでなつきが後ろにいるAの手を掴んでそのまま歩き出した。
なつき「俺らメリーゴーランド乗ってくるね」
のぞみ「え、メリーゴーランド？ 笑」
そうた「いや、可愛いな 笑」
他のメンバーたちのリアクションを背で受け止めて2人はメリーゴーランドに向かった。
A「ほんとに乗るの？ 笑」
なつき「いや、当たり前でしょ」
A「そっか……。」
それだけ言うと、2人はメリーゴーランドに乗った。
並んで乗ると、先程から元気のないAを気遣うようになつきが様子を伺う。
なつき「なんか今、考えてる？」
A「……なんかね、色んな人と話したりデートしたりして、それでも最後、私のとこに戻ってきて欲しいと思ってたの」
なつき「なるほどね。…」
A「でも、……んー、…強いて言うなら、…ほんと、強いて言うならよ？…ちょっと乱入したいかもなーって…」
なつき「あ、いつきとあんなちゃんのとこ、？」
A「……うん 笑」
なつき「あー 笑」
A「なんか、言ってることもやってることも全部めちゃくちゃだけど、」
笑顔で言うものの、その笑顔は無理して作ったものだと分かり、敢えて明るい声を出した。
なつき「いつきは大丈夫だよ、どうせ一途だし」
A「…どうせって…… 笑」
それっきり、自分の方を見ないなつきにAは微笑んだ。
A「ありがと、なっちゃん」
なつき「ていうかさ、Aこそさっきから結構俺に構ってくれてますけど、大丈夫なんですか」
A「…そ、だからこそ、乱入とかできるわけないなって」
そう言い笑うAを夕焼けが照らした。寂しそうで、綺麗な笑顔だった。
一方残された4人は、4人で行動していた。
レオ「ちょっとごめん。…俺行きたいとこがあるんだよね」
そう言って立ち上がったレオを2人の女子は見送った。
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6話長くなります。
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作者名：シェリー | 作成日時：2021年11月9日 0時
