機は熟し ページ6
「ッギャー!!!!」
次の日、月柱としての警戒地区の見回りを終えてから、また隠として任務を続けていると、鬼を狩り終わったはずの現場に叫び声が響いた。
『！どうした?!』
急いでAと他の隠が駆けつけると、明らかに先程まで共に任務についていた者が、仲間の首を切り、上半身を食べていた。
「な、んでお前、、」
隠達は足を震わせながら、その状況を見ていた。
「す、ぐに鬼殺の者を、」
その時、応援を呼びに行こうとした隠に向かって、鬼が何かを打ち放った。
−キンッ
それを日輪刀で弾く。
地面に落ちたあとそれを拾い上げると、杭のような物だった。
「なぜお前が日輪刀を、」
目を見開いたまま、食われる仲間と、日輪刀を構えた異色の隠の様子を見ている隠達。
鬼が、隠の頭部を抱えて叫ぶ。
「ケッケッケッ！オ前達、戦エナイノダロウ!!、ナラバ、俺ノ食イモンニナレ！簡単ダッタナァ!!オ前達ヲ食ウノハ!!」
どうやら、こいつらしい。
『君が、今まで隠に化けて人間を食っていた鬼なんだね。』
腰を抜かす他の隠達を庇うように、Aは一歩前に進み出た。
「ケッケッケッケッケッケッ!!気ガツカナイトワマヌケダッタ!!マルデ食イホウダイダ！、シテ、オ前、何者ダ？ヨワイコイツラトワ違ウナ。」
鬼が頭部を地面に捨て、Aに近づく。
「おい新人！鬼狩り様達が来るまで待て！俺らにはそいつを斬る力がない！」
後ろで誰かが叫ぶ。
(鬼狩り"様"。か。)
Aは隠達に振り向くと、
『隠"様"、いつも素晴らしい援護に感謝しております故。力がない、などとは金輪際、口にしないでもらいたい！』
ニッコリ笑った瞬間に、Aは体勢を低くし、鬼めがけて刀を振り上げた。
−カキーン
「ッグ!!」
杭で受け止められ、間合いを取る。
『ふーん。やるねぇ。』
後方で見守っている隠達は、その刀に見覚えがあるような、困惑した表情をしていた。
「、月柱、様？」
ビクつく鬼と、対象にニコリと笑いながら隠の帽子を取ったAは、
『はい、月柱ですよ。皆さんの任務にご同行させて頂いて、とても勉強になりました！何も分からない私にたくさんの事を教えてくださり、ありがとうございました！それでは、恩返しと致しましょう！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「煉獄杏寿郎」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：anna | 作成日時：2021年11月19日 11時
