どういうわけか、煉獄さん。3【煉獄杏寿郎】 (ページ50)

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番外編　小さな月ページ50

『あ、うずいさん！すみません、たすけていただいたおれいを、わっ！！』

状況説明をする月柱様を、軽々と抱き上げた音柱様は、

「そ。まぁ派手に後藤がいてよかったな。お前この姿じゃァ人攫いにでも会いかねねェからな。んじゃな。」

といい、月柱様をいわゆる抱っこしたまま、踵を返した。

『あ、ごとおさん、また、!!』

連れ去られ際、申し訳無さそうに音柱様の肩越しからひょっこり顔を出す月柱様に、

「いえ、お身体ご自愛くださいますように。」

と、告げた。

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(音柱様も溺愛中ってか。)

誰もいなくなった静かな中庭で、内心思った。

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蝶屋敷にいる事が増えた月柱様を見かける隊士達は、代わる代わる柱達にお世話(というかただの溺愛)される様子を、恐れながら、微笑ましく見ていた。

取り分け、水柱様が顔を赤らめながら月柱様と手を繋ぐ姿は女性隊士の心をがっちりと掴み、

炎柱様が月柱様を抱き上げるお姿は、二人の未来を想像させた。

なにわともあれ、月柱様がただ小さくなるだけの血鬼術だった故に、今日の柱たちも平和そうで安心する。

『みなさん、いつもありがとうございますっ、』

眉を下げながらお礼を言う月柱を、彼女が元の姿に戻る日まで甲斐甲斐しくお世話(いや、ただ遊んでいるだけのような。)している柱たちは、皆、とても幸せそうだったから。

「さて、仕事すっか。」

それからしばらくして、月柱様は無事に元のお姿に戻ったらしい。

が、

それもまた、噂で聞いただけの事だ。

おわり。