今は昔2 ページ42
『、ご、ごめんなしゃ、さいきん、きおくがあいまいで、』
抱きしめられながら謝るAを、さらに抱きしめる煉獄。
「いい。謝るな。大丈夫だ。」
このまま記憶がなくなったら、もう貴方とはいられないかもしれない。
『っ、ほんとうに、あなたにいらなくなってしまう、』
涙をポロポロ流しながら、Aは、煉獄の温もりを確かめていた。
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「記憶障害、ですか。」
ある時私は胡蝶さんに相談した。
でも返ってきたのは意外な返答で。
「Aさんがかかった血鬼術は、あくまで身体を小さくするだけのもので、ろれつは理解できますが、記憶障害にはまた、何か別の原因があると思います。」
『べつの、げんいん、？』
Aは目を見開き、呟いた。
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帰り道、一人考える。
と、そこに、
「キャー!!助けてー!!!!」
?!
見れば女性が複数人の男性に襲われている。
鬼ではないけれど、仕方がない。
日輪刀は重すぎる故に、短刀を持たせてもらったそれを握り、走る。
(3歳の身体でどの程度動けるか分からないけれど、でも、)
見捨てられない。
周囲には私しかいない。
鴉に文を頼み、私は走った。
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中に入ると抑えられ、着物を脱がされそうな女性。
私に気づくと、中の男性の一人が、
「あぁ?!何見てんだ餓鬼！こいつの子供かぁ?!」
と罵声を浴びせた。
私は何も言わず、短刀をもって走る。
「っぐ、うぅ、なんだ、この餓鬼、」
一人はやったが、残る2人が手強い。
大人の姿なら一瞬だが、如何せん今は3歳だ。
幼いにも程がある。
(やっぱり無茶だったか、)
でも、襲われた女性を見ると、こんな幼子の私に対してでも、救いを求めている。
私がやらなきゃ。
『全集中の呼吸、』
息を軽く吸い、
次の瞬間。
-バタンッ!!!!
-ドサッ!!!!
男たちが倒れ、
-バタ。
Aも倒れた。
『っ、うぇ、っ、はぁ、はぁ、』
「だ、大丈夫?!た、助けてくれてありがとう、!!」
女性に抱きかかえられているのがギリギリ分かる。
3歳の体に常中は無謀だった。
身体が狂っている。
頭が痛い。
『ゔっ、うぇ、、ごほっ、ごほっ、』
あまりの気持ち悪さに嘔吐し、私はそこで意識を手放した。
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作者名：anna | 作成日時：2021年11月19日 11時
