どういうわけか、煉獄さん。3【煉獄杏寿郎】 (ページ14)

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隠れんぼページ14

あれからAは

『っ、』

まだ蹲って泣いていた。

蝶屋敷の、木の上で。

(いつも伊黒さんが木の上にいるけれど、)

こんなに落ち着くなんて知らなかった。

気配も音も息も殺す。

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「A!!先程はすまなかった!!」

しばらくして、杏寿郎さんの大きな声が蝶屋敷の中庭に響いた。

「君がいない間、飯があまり上手く感じなかった故に、口にする事を忘れていた！情けなく思う！俺は君がいないと、飯も上手く感じないようだ！」

(私も、杏寿郎さんと食べるご飯が一番好き、。)

杏寿郎さんがすぐ近くにいるのは分かっているのだけれど、。大好きなのに、しばらく会いたくないと思ってしまう。

小山座りに顔を埋め、ギュッと自分を抱きしめた。

「出てきてくれないだろうか!!」

杏寿郎さんはそう言いながら、中庭を後にした。

(これから先もさっきみたいに、心臓が凍るような事は起きるかもしれない。嫁ぐ時に慎寿郎さんと約束したくせに、私は杏寿郎さんを失うことが、怖い。)

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「煉獄さーん？」

蝶屋敷の開いた窓から、炭治郎と善逸の声がした。

「何してるんですか？」

炭治郎が煉獄を見上げて問うと、煉獄は腕を組み直し、

「うむ、隠れんぼだ!!」

と答えた。

「か、隠れんぼ？Aさんと？」

善逸が眉を下げながら言う。

「ああ！だがしかし、彼女はなかなかに手強くてな！見つからない状態だ！」

つまり、お手上げだと。

2人は考えて、

「俺たちも手伝いますよ！」

「そうそう！外寒いのにAさん心配だよォォ。」

と言った。

「そうか！君達が手伝ってくれるのならば心強いな！、実は、Aを怒らせてしまったのだ。」

眉を下げながら笑う煉獄に、炭治郎と善逸も眉を下げた。

「大丈夫ですよ。お二人ならば。、ですが、Aさんすごいですね！匂いも完全に消えてます！」

「あ、炭治郎も気づいた?!音がしてないんだよォォ。これってAさん死ん、」

言いかけて、煉獄の濁ったような音が善逸の耳に届いた。

「い、いえェ！では俺たち探してきまーす!!」

「見つけたらこっそり煉獄さんに教えますね！」

そう言い残し、二人は姿を消した。

「Aと、"隠れんぼ"か。」

-杏寿郎さんなんて、キライ。

思い出してまた、胸が痛んだ。