宵の口の蝶 ページ33
胡蝶の頬を右手で包み、左手を胡蝶の肩に置き、
「Aすわぁぁん!!」
善逸の叫びの中、
−チュ、
胡蝶に何度も接吻を落とした。
Aの長い髪が胡蝶にかかり、胡蝶は下からAを見上げる形になっていた。
綺麗な者同士の接吻を、鬼殺隊メンバーは隠も含め息を呑んで見ていた。
すると、
パッとAが顔を上げ、
何かを思いついたように、
『胡蝶さん、だぁいすき!』
とニコリと笑った。まるで子供のようなAに、胡蝶は眉を下げて慈しむように見ると、
「私もですよ。今日は、おめでとうございます。」
とAの頭を撫でて微笑んだ。
嬉しそうに笑ったAはそのままパタパタと、着物を引きずりながら、次は不死川の元へ歩いていき、
−ギュ。
!!?!!
正面から抱きしめた。
硬直する不死川。
「ば、おま、何やってん、だァ。」
不死川が離そうとしても首に手を回したまま抱きつくA。
『兄上、いつも、ありがとう、、』
その言葉に、不死川は眉を下げため息をつき、
「俺ァお前の兄貴じゃねェ。でもよォ、」
そのままAを抱っこしながら、煉獄の膝の間にAを置き、
「煉獄がお前を泣かしたら、全力で煉獄をぶん殴ってやるくらいには、お前を守ってやる。だからよォ、祐太朗の分まで、幸せになれェ。」
と言い残し、自席に戻った。
『兄上、ありがとう、』
煉獄の膝の間で丸まって眠たそうにするAは、ふと煉獄を見上げふにゃりと笑うと、
『杏寿郎、愛してるよ、。』
と言い残して目を閉じた。
「っ、」
煉獄は目を見開き、真顔で硬直した。
「おーい、煉獄さーん?」
炭治郎と善逸が目の前で手を振っても、微動だにしない。
すると、
−パチッ!
Aが急に目を開け、炭治郎と善逸を見上げたかと思うと、
『二人共、私が、守ってあげますから、ね、』
とニコリと笑った。
そして再び眠るA。
炭治郎は眉を下げ、
「Aさん、いつも俺に言ってくれるんですよね。"守ってあげる"って。、でもそれって、俺には"失いたくない"に聞こえてしまって。Aさん、皆あなたに守られていますよ。今度は俺達に、あなたを守らせてください、。」
祈るような炭治郎の言葉に、鬼殺隊士は皆、眠るAを見つめた。
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Anna(プロフ) - REI様、コメントありがとうございます。自分としても、そこを気をつけたいと思っておりましたので、そう言っていただけてとても嬉しかったです。これからもぜひ物語を見守ってくださったら有り難いです! (2021年11月19日 8時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
REI(プロフ) - 言葉の使い方、文章がとても綺麗でどタイプです(*'ω'*)応援してますっ! (2021年11月19日 4時) (レス) id: a2d58e6a6b (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - 柚葉様、はじめまして!コメントありがとうございます!同類ですね笑 更新楽しみにして下さっていて嬉しいです!しばしお待ちをー! (2021年11月16日 18時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 初めまして。生きていてほしかった人でございます。一気に読ませていただいております。更新楽しみです(^.^) (2021年11月16日 15時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - milk様 素敵なコメントありがとうございます!嬉しいです!ワクワク展開にしていけるように精進いたします! (2021年11月11日 10時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anna | 作成日時:2021年11月7日 17時