ハレノヒには貴方と ページ29
「姉上!お支度お手伝い致します!」
煉獄家は今日、とんでもなくバタバタしていた。
それというのも、今日この日、煉獄杏寿郎と月波Aの祝言が執り行われるからに他ならない。
『千寿郎さんって本当に何でもできるのですね!』
着付けられた白無垢を整えられながら、Aが微笑む。
「っ、姉上っ、」
そんなAを千寿郎は目を潤ませて見つめると、
「本当に、良かったですね、」
と、笑った。
それを見てAも微笑むと、
『千寿郎さん、貴方は私達の太陽ですよ。』
と告げた。
「お、俺が、?」
驚く千寿郎にAが続ける。
『真に煉獄家を守っているのは貴方、千寿郎さんです。私達は貴方の笑顔を見るたびに、この世の平和を願い、戦い続けることができる。千寿郎さんは、私にとっても大事な弟です!』
あまりに綺麗に笑うAに、手で涙を拭きながら俯いて泣く千寿郎。
そこに、
「千寿郎!何を泣いているのだ!祝言はまだだぞ!」
と、紋付きの袴を着て、綺麗に髪を一つに結わえた杏寿郎さんが入ってきた。
!!!
固まるA。
「どうした?A?」
あまりに整い過ぎた煉獄の姿に、Aはくらくらと目眩を感じた。
『い、いえ!杏寿郎さんが、その、あまりに見目麗しくて、。』
照れ笑いするAに、照れる煉獄。
その場をホワホワして見ている千寿郎。
とそこに、
「お前ら!何ぼやっとしてんだ。そろそろ時間だ。失礼の、ないようにな。」
槇寿郎さんが私達を呼びに来た。
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ある朝餉の時、
Aがおもむろに、
『お父様、祝言にご参加してくださいますよね?ご挨拶をお願いしたいのですが。』
と告げ、槇寿郎はその瞬間咳き込んだ。
「っ、ごほ、ごほっ、、。な、なんだ急に、。俺は鬼殺隊を退いた身。今更公の場にはいかんぞ。」
一緒にご飯を食べるようにはなったが、まだまだ部屋に籠もることの多い槇寿郎。
『そうですか、』
ご飯を口に運びながらシュンとするA。
その様子を、何も言わずに見守っている煉獄兄弟。
『私には両親がおりません故、お父様には見ていただきたかったのですが、』
さらに悲しそうに話すA。
『仕方ありませんね。今生では諦めます。』
最後にAが切なげに笑った所で、槇寿郎が折れた。
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Anna(プロフ) - REI様、コメントありがとうございます。自分としても、そこを気をつけたいと思っておりましたので、そう言っていただけてとても嬉しかったです。これからもぜひ物語を見守ってくださったら有り難いです! (2021年11月19日 8時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
REI(プロフ) - 言葉の使い方、文章がとても綺麗でどタイプです(*'ω'*)応援してますっ! (2021年11月19日 4時) (レス) id: a2d58e6a6b (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - 柚葉様、はじめまして!コメントありがとうございます!同類ですね笑 更新楽しみにして下さっていて嬉しいです!しばしお待ちをー! (2021年11月16日 18時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 初めまして。生きていてほしかった人でございます。一気に読ませていただいております。更新楽しみです(^.^) (2021年11月16日 15時) (レス) @page39 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - milk様 素敵なコメントありがとうございます!嬉しいです!ワクワク展開にしていけるように精進いたします! (2021年11月11日 10時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anna | 作成日時:2021年11月7日 17時