逃避する頭 ページ9
兄上は、通り魔に襲われそうになった私を助けて身代わりに連れ去られた。
娘はあまりの通り魔の恐ろしさにそれを鬼と見間違え、兄を失った悲しみで、気が触れたような説明を繰り返している。
という事にされた。
一刻も早く兄を失った悲しみから逃れたい両親にとって、半ば虚言のような言葉を吐く私は邪魔だったに違いない。
そして、邪魔な私を両親が迎えに来ることは、ない。
精神病棟にて、鉄格子が備え付けられた無機質な空間を見ながら、私は、
(逃げよう)
と思った。
私は嘘は言っていない。落ちこぼれたまま死ぬような柔な精神でもない。
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暇な病棟では、"鬼"について考察した。
そして一つの仮説が見えた。
―――兄は、鬼を知っていた。？
それは、鬼を殺そうとした時の兄上の動きだった。
普通、人を殺そうとするならば、無意識に胸を貫こうとするのではないか。それが真っ先に兄上は頭部を狙いに行った。
そして、あの暗闇の空間に飛び込むまでの判断があまりに速かった。
あれは日頃から、"それ"について考えていないとできない動きだ。
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兄上は、男性なのに花を贈りたくなるような、美しい人だった。
腹違いではあるが、私もよく似てると言われて、心底嬉しかった。"兄と同じ何か"が自分自身であるという事が。
「A、夜は出歩いてはいけないよ。悪いものがお前を食べてしまうからね。」
兄上はよく、そんな事を私に言っていた。
冗談だと思っていたが幼心にそれが怖く、出歩いた事はなかった。
それは、兄が"鬼"を知っていたからに他ならない事を示していた。
(どうして、兄上は知っていたのかな。)
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「派手に厳しい顔してんじゃねェか!!」
急に髪を掻き乱され頭上を仰ぐと、そこには私を取り囲み柱の皆さんが立っていた。
「Aちゃん、大丈夫？」
甘露寺さんに覗き込まれ、目の前にある胸元を見ながら
(ああ、現実に戻ってきたんだ。)
と思った。
「A、甘露寺をあまり見るな。」
伊黒さんからの嫉妬を、
『ははっ、ごめんなさい。』
苦笑いで受け取る。
これが日常。今の、鬼を知る私の日常だ。
(明らかにあの時は両親よりも私の方が可哀想だったと思うけどな。)
瞑想の続きを考えながら、それぞれの位置についた皆さんの話に相槌をうった。
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Anna(プロフ) - milk様！おまたせして申し訳ないです、。やっと編集できました！ありがとうございます！続編もなかなかの亀更新ですが、何かあればまたコメントお待ちしております！ (2022年1月17日 1時) (
レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - こんばんは(*^^*) 夜分遅くにすみません｡｡｡ 物語読んでいて気が付いたのですが｡｡｡ 日常的に変化することのここの部分 ○○←名前が笑顔になると、不死川は怪訝そうにそっぼを向いた。 これ正しくはそっぽを向いた。ではないんでしょうか？ (2021年11月9日 0時) (レス) @page36 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - コメントありがとうございます！細やかに読んでいただけて嬉しい限りです！ここは、作者目線の客観的な文章にしたくて呼び捨てにしております！違和感ありますか？？他は、夢主様と煉獄さんの主観目線です。基本呼び捨ての場面は客観的だと捉えてもらえたら嬉しいです！ (2021年11月7日 8時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - 続けてのコメントですみません(>_<) これさんが抜けてませんか？ その前まではずっとさん付けでしたのに…。 (2021年11月7日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
milk - おはようございます(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません｡｡｡ 物語読んでいて気が付いたのですが...。 胸に炎をのここの部分 ○○←は無意識に、煉獄にギュッと抱きついた。温もりを求めるように。 (2021年11月7日 8時) (レス) @page21 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：anna | 作成日時：2021年10月26日 20時
