花街の接客3 ページ47
(すごい力、)
『あの、わっちは百合に行くでありんす、離しておくんなんし。』
お客様に失礼のないように声をかける。
すると、
−ギュ!
後ろから抱きしめられ、首元に顔を埋められた。
(な、に、?嫌、気持ちが、悪い。)
『離して、』
Aが手刀をしようとした次の瞬間、
「こいつは俺のでな。勝手はやめてくれないか。」
声と気配がしたかと思うと、男から引き剥がされて、今度は違う手に引き寄せられていた。
力の差を感じたのか、
「ちっ!祐!今度はお前を指名するからな!」
男は足早に去っていった。
--
抱き寄せられているこの手は、
「A、君は女中じゃなかったのか?」
煉獄さん。
囁くように耳元で言われ、私はバッと煉獄さんから離れると、そのまま頭をさげた。
『ありがとうございます。失礼致します。』
(煉獄さん、)
苦笑いしながら、Aが背を向けようとした時、
-グイッ
またもや後ろに引かれ体勢を崩しそうになる。
花街の装いは如何せん動きにくい。
『わっ』
受け止められたその人に、とてつもなく安心している自分がいる。
(ああ、私、不安だったんだ。)
吉原にたった一人、任務だけど、慣れなくて。
「A、いや、祐、だったな、今の君は。」
会いたかったんだ。この人に。
『煉獄、さん、』
「ん?どうした!」
振り向けば、口角を上げるいつもの煉獄さんがいて。
『お会いしたかったです、』
瞬間、煉獄の目が見開かれたと思うと、
「少し待て!」
と、どちらかへ行ってしまわれた。
『?』
ポツンと一人取り残された私は、百合の部屋に行かなくては、と思いながらも、その場を動けずにいた。
すると、
「待たせた!行くぞ!」
と、煉獄さんがすごい速さで戻ってきた。
鬼が潜んでいるかもしれない故に、呼吸は最低限。でも普段から煉獄さんは足が速いのだなぁと感心していると、
肩を引き寄せられ、どこかに連れて行かれる。
『あ、え、どちらに?私今から違うお仕事が、』
言いかけて、遮られた。
『心配ない!本来ならば無理な話だが、女将と話をつけてきた!』
え?
『君は今日、俺が買わせてもらった!故に、共に来てくれないか。』
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Anna(プロフ) - milk様!おまたせして申し訳ないです、。やっと編集できました!ありがとうございます!続編もなかなかの亀更新ですが、何かあればまたコメントお待ちしております! (2022年1月17日 1時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - こんばんは(*^^*) 夜分遅くにすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 日常的に変化することのここの部分 ○○←名前が笑顔になると、不死川は怪訝そうにそっぼを向いた。 これ正しくはそっぽを向いた。ではないんでしょうか? (2021年11月9日 0時) (レス) @page36 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - コメントありがとうございます!細やかに読んでいただけて嬉しい限りです!ここは、作者目線の客観的な文章にしたくて呼び捨てにしております!違和感ありますか??他は、夢主様と煉獄さんの主観目線です。基本呼び捨ての場面は客観的だと捉えてもらえたら嬉しいです! (2021年11月7日 8時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - 続けてのコメントですみません(>_<) これさんが抜けてませんか? その前まではずっとさん付けでしたのに…。 (2021年11月7日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
milk - おはようございます(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 胸に炎をのここの部分 ○○←は無意識に、煉獄にギュッと抱きついた。温もりを求めるように。 (2021年11月7日 8時) (レス) @page21 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anna | 作成日時:2021年10月26日 20時