誤解はこじれて2 ページ43
煉獄からの質問にAが答えていると、微量だが煉獄から殺気が再び漏れ出していた。
苦笑いする宇髄と、殺気には気づいているが理由が分からないA。
『煉獄さん?町中ですので、殺気はしまって?』
とAが言った瞬間、一瞬で殺気がなくなった。
煉獄は真顔だ。
(煉獄、お前、)
煉獄が意外と単純だった事に宇髄は笑いそうになると、もう一度説明し直した。
「俺たちは今から吉原に行く。前からお前にも任務に参加してもらっているが、Aには直接内部に入ってもらう事にした。」
煉獄は、ニコニコしているAをじーっと見ると、その腕を引き寄せた。
「駄目だ。」
?!
煉獄の腕の中にいるAは顔が真っ赤だ。
『ちょ、れ、煉獄さん!!人が見ています!それに、これは任務で、』
あまりに煉獄がキツく片腕で抱きしめてくるので、右腕に煉獄の日輪刀の柄の部分が触れた。
「任務ならば、潜入せずともできる!」
ハキハキと話しながらも、Aの任務を断固拒否する煉獄に、宇髄は再び頭をかきながらため息をついた。
「お前の気持ちは分かる。俺だってわざわざ鬼がいるような場所に仲間を送り込むなんざしたくねェんだ。だけど、行ってもらわなくちゃならねェ。」
言い終えた宇髄は、前髪からのぞく透き通った目で煉獄を見据えた。
「被害者が出た。」
その言葉に、煉獄の肩がピクッと動いたのを、Aも宇髄も見逃さなかった。
「一刻も早く鬼を狩らなくちゃならねェ。その為には情報が必要だ。」
宇髄からの言葉を最後まで静かに聞いた煉獄は、Aの両肩を掴み、自分から離すとそのままじーっと朱色の目をAと合わせた。
『ふふっ、なんですか、煉獄さん?穴が開いてしまいますよ?』
微笑むAに、胸の奥がひどく軋む。
(行かせたくはない。が、もう刻がそれ程ないのも事実。)
煉獄が心中に問うていると、
『煉獄さん、私はまだ病み上がりです。ですので、何かあればすぐに鴉を飛ばしますので、もし近くにいらっしゃれば、来て頂けると有り難いです。』
と、Aが静かに煉獄に告げた。
その言葉に、煉獄は目を覚ました。
自分が今やるべき事は、嫉妬から鬼殺隊である君を引き止める事ではなく、君に何かあった時、いや、ある前に、駆けつけて力になる事だ、と。
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Anna(プロフ) - milk様!おまたせして申し訳ないです、。やっと編集できました!ありがとうございます!続編もなかなかの亀更新ですが、何かあればまたコメントお待ちしております! (2022年1月17日 1時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - こんばんは(*^^*) 夜分遅くにすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 日常的に変化することのここの部分 ○○←名前が笑顔になると、不死川は怪訝そうにそっぼを向いた。 これ正しくはそっぽを向いた。ではないんでしょうか? (2021年11月9日 0時) (レス) @page36 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - コメントありがとうございます!細やかに読んでいただけて嬉しい限りです!ここは、作者目線の客観的な文章にしたくて呼び捨てにしております!違和感ありますか??他は、夢主様と煉獄さんの主観目線です。基本呼び捨ての場面は客観的だと捉えてもらえたら嬉しいです! (2021年11月7日 8時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - 続けてのコメントですみません(>_<) これさんが抜けてませんか? その前まではずっとさん付けでしたのに…。 (2021年11月7日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
milk - おはようございます(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 胸に炎をのここの部分 ○○←は無意識に、煉獄にギュッと抱きついた。温もりを求めるように。 (2021年11月7日 8時) (レス) @page21 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anna | 作成日時:2021年10月26日 20時