誤解はこじれて ページ42
『あ、え、宇髄さん?』
待ち合わせ場所に行くと、見ず知らずの殿方がいらしていた。と思ったら、それは着流しに見を包んだ宇髄さんだった。
「そうだ!! 派手だろ!」
両手を裾にいれながら、ニシシッと笑う宇髄。
『えぇ、派手です。とても素敵ですね!』
素直に答えるAに、調子を狂わせる宇髄。
その隣でにこやかに笑いながら、綺麗に着飾ったAが歩き、夕暮れ前の町並みによく映えた。
街を歩く人々が二人を振り返る。
その視線に気づき、Aの方を見る宇髄。当の彼女は、気づいているのかいないのか、口元を微笑ませているだけだった。
(元、"良家の娘"ねぇ。確かに、派手に品がいいな。)
宇髄は前に向き直った。
そこに、見慣れた頭髪の後ろ姿が目に入った。
先に気づいたのはAで、気づいた時にはそちらに駆け出していた。
宇髄は一瞬Aを呼び止めようとしたが、彼女の横顔があまりに嬉しそうな事に気づいて、言葉を飲み込んだ。
(派手に、いい表情するじゃねェか。)
宇髄は口角を上げると、二人を見ながらそちらに向かって歩き出した。
--
Aはその後ろ姿に足早に近づくと、
『煉獄さん!』
と、声をかけながら、右腕を軽く掴んだ。
瞬時に右下を見下ろす煉獄は、立ち止まり、Aを見つめたまま固まった。
『煉獄さん?』
上目遣いで首をかしげる目の前の女性。
「、、Aか?」
いつもと違う様子のAに、目を見開くと、
「煉獄!」
もう一人後ろから来た男性に目をやる。
再び固まる煉獄。
「A、その男性は誰だろうか!」
目の前の愛いAと、見ず知らずの男性。
煉獄は頭の中で最悪の妄想をすると、男に対して殺気を向けた。
それに気づいた宇髄は、
「ちょ、待て待て!煉獄、俺だ!俺!宇髄だ!!」
と直に弁解をした。
「宇髄、なのか?」
無表情のまま問う煉獄に、ため息をつく宇髄。
「にしてもA、君はとても綺麗だな。宇髄と、何をしていたんだ?」
単刀直入な質問に、宇髄はこれまた直感を働かせた。二人の様子をじっと見つめ、顎に手をやると、
(ははーん。どちらかと言えば、煉獄が、派手にこいつに熱を上げてんな。)
と心の中で呟いた。
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Anna(プロフ) - milk様!おまたせして申し訳ないです、。やっと編集できました!ありがとうございます!続編もなかなかの亀更新ですが、何かあればまたコメントお待ちしております! (2022年1月17日 1時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - こんばんは(*^^*) 夜分遅くにすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 日常的に変化することのここの部分 ○○←名前が笑顔になると、不死川は怪訝そうにそっぼを向いた。 これ正しくはそっぽを向いた。ではないんでしょうか? (2021年11月9日 0時) (レス) @page36 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - コメントありがとうございます!細やかに読んでいただけて嬉しい限りです!ここは、作者目線の客観的な文章にしたくて呼び捨てにしております!違和感ありますか??他は、夢主様と煉獄さんの主観目線です。基本呼び捨ての場面は客観的だと捉えてもらえたら嬉しいです! (2021年11月7日 8時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - 続けてのコメントですみません(>_<) これさんが抜けてませんか? その前まではずっとさん付けでしたのに…。 (2021年11月7日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
milk - おはようございます(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 胸に炎をのここの部分 ○○←は無意識に、煉獄にギュッと抱きついた。温もりを求めるように。 (2021年11月7日 8時) (レス) @page21 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anna | 作成日時:2021年10月26日 20時