胸に炎を ページ21
(煉獄さん、ゆっくり移動してくれてる。)
煉獄さんにおぶられながら、蝶屋敷に向かっている。
謝らないといけない。私の自虐行為に付き合わせてしまった。
『あの、れん』
「A!」
話しかけようとしたら、話しかけられた。
『は、はい!』
つられて勢いよく返事をしてしまう。
「痛くはないか!!いや、痛いだろうが、あと少し耐えられるか!!」
煉獄さんのフワフワした赤い毛先が顔に触れる。
私の傷を心配してくれている。
自業自得なのに、こんな私を。
優しいな。温かいな。
煉獄さん。
あなたがいると、不思議と胸の辺りがホワホワして温かくなる。
『、はい。大丈夫ですよ。煉獄さん、ありがとうございます。』
開いた傷口からの出血が多いため、身体が冷える。意識が遠退く。
Aは無意識に、煉獄にギュッと抱きついた。温もりを求めるように。
『煉獄さん、煉獄さん、いつも、あったかい、。』
Aは意識を手放した。
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背中に、眠った彼女をおぶりながら移動を続ける。とは言ってもそこまで遠いわけではなかったが、体中に血の染みができている彼女を揺らすわけにはいかない。故に、最低限の速度を保つ。
『あの、れん』
言われた瞬間に、謝罪だろうと思った。
彼女の事だ。俺や不死川を私情に巻き込んでしまったことを悔やんでいるに違いない。
「A!!」
『は、はい!』
俺は、君が無事ならばそんな事は取るに足らない。
呼べば返ってきた君の血の通った返事に、不甲斐なくも深く安堵する。
「痛くはないか!!いや、痛いだろうが、あと少し耐えられるか!!」
Aの体温が徐々に低くなっているのを感じた。
(まずいな、急がねば。)
すると、
『、はい。大丈夫ですよ。煉獄さん、ありがとうございます。』
と、囁くようなAの声がして、心臓がうねった。
俺が君を支える手に力を入れたのと同時に、
『煉獄さん、煉獄さん、いつも、あったかい、。』
と言われ、俺はさらに、腕に力を込めた。
寝息が聞こえる。
(君が、大事なんだ。)
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もうすぐ蝶屋敷だ。
どうやら不死川も胡蝶も、Aの兄上を知っているようだった。
に、しても、
-お前、そうなんだろ?
不死川がAの頭を撫でた時に、抱いた殺気が漏れてしまったのか。
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Anna(プロフ) - milk様!おまたせして申し訳ないです、。やっと編集できました!ありがとうございます!続編もなかなかの亀更新ですが、何かあればまたコメントお待ちしております! (2022年1月17日 1時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - こんばんは(*^^*) 夜分遅くにすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 日常的に変化することのここの部分 ○○←名前が笑顔になると、不死川は怪訝そうにそっぼを向いた。 これ正しくはそっぽを向いた。ではないんでしょうか? (2021年11月9日 0時) (レス) @page36 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
Anna(プロフ) - コメントありがとうございます!細やかに読んでいただけて嬉しい限りです!ここは、作者目線の客観的な文章にしたくて呼び捨てにしております!違和感ありますか??他は、夢主様と煉獄さんの主観目線です。基本呼び捨ての場面は客観的だと捉えてもらえたら嬉しいです! (2021年11月7日 8時) (レス) id: 6165e310c0 (このIDを非表示/違反報告)
milk - 続けてのコメントですみません(>_<) これさんが抜けてませんか? その前まではずっとさん付けでしたのに…。 (2021年11月7日 8時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
milk - おはようございます(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 胸に炎をのここの部分 ○○←は無意識に、煉獄にギュッと抱きついた。温もりを求めるように。 (2021年11月7日 8時) (レス) @page21 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:anna | 作成日時:2021年10月26日 20時