呪いの王ときたら姫もいる【呪術廻戦】

#22 ページ24

「……やァ、宿儺さーん。」

「ククッ、久しいな、紅刹よ。」



クツクツと愉快そうに笑う呪いの王、両面宿儺。





「つかさ、私紅刹じゃないし、そもそも───────






悠仁死なせてんじゃねえええええーーー！！！！」




瞳孔をかっ開いて、彼女は宿儺に殴り掛かる。
それをひょいと避けた宿儺は、ほう、と感心する。



「流石だ。この俺が一瞬でも見失ってしまった。」


「何変なとこに興奮してるんじゃこの戦闘狂おおお」




ぶっちゃけ、勝率は0に等しい。

だってそうだろ？
1000年前、多くの人間を鏖殺し、呪いの王と畏れられ、数々の呪術師たちが協力したのに亡骸が残るだなんて。

そんなやつ、呪術師としての歴が少ない私が勝てるわけが無い。



でも、此奴は悠仁に、死の感覚を味合わせた。





「ぶっ殺す。」


「……相変わらず、物騒な女だ。」



幾ら殴っても、全て躱される。

術式を使いたい。

でも、昨日特級とやり合った上に、領域展開までしたんだ。
呪力だって0に等しい。



嗚呼、クソッ、最悪だ。






「はあああああッッ」


「…遅いな。」





蹴りを入れたら脚を捕まれ、投げ飛ばされる。


アンタにはあと10000発、殴んなきゃ気が済まないってのに。





「何故だ？お前には、それだけの力があるというのに、俺と互角だったというのに。」




ゆっくり、ゆっくりと宿儺が近付いてくる。

あー、もう、ホントにクソだ。
今なら、というかいつもそう思ってたけど、呪術師はやはりクソだ。




「記憶さえ戻れば、お前と、また──────」




やっぱりだ。
やっぱり、この王は、私の中の何かを愛しているんだ。

そう思った瞬間、私の中の何かがキレた。


伸ばされた手を振り払う。




「さっきからうっせぇなあああ。



私は私なんだよ！！！紅刹なんて知らない！！！








私は、Aだ！！！」









＿＿＿＿＿＿＿＊
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猫になれる術式を持ってしまった【呪術廻戦】


ほのぼのの予定。

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