異能力【夜明け前】伍

戦いも終焉 ページ16

そっからはスピード勝負だった。



樋口は銃をAに向け撃ちまくり、Aは樋口に土や風、炎等の攻撃を繰り出した。




女同士の戦いと言えどやはり異能力者と一般人。




Aが出した風に煽られ樋口は壁に思いっきり叩きつけられノックアウト。




樋口は意識を落とした。



そんな樋口にAは荒い息を整えてから向かう。



毒芹擬き(ホワイトレースフラワー)の花束を手元で創りながら。




毒芹擬きは和名で良い印象は無いかもしれない。



けれど、実際は感謝の意を込めた花言葉を持っていて綺麗な花だ。



また繊細という花言葉を持ってるこの花は樋口に似合うと思ったのだ。




『ひぐっちゃん、大丈夫かい…？』




壁に叩きつけられた樋口を起こしAの腕の中で楽な体勢をとらせる。




樋口｢ん、…んん……あ、れ？｣




『起きた？ひぐっちゃん、』




樋口｢…あ、負けたのか……｣




樋口はAの方を向き目を合わせた。




『お疲れ様です、はい。コレ。』




樋口｢…ありがとう｣




樋口｢…いつカフェ、行く？｣




目線を外してからもう一度合わせた樋口はそう云った。



『…ふふ、じゃあ完治してからね』





そう約束を交わした2人は戦場に居るとは思えなかった。

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