異能力【夜明け前】参

ありがとう ページ6

太宰治side



｢少し散歩に出掛けてくる｣


と、Aちゃんが出てきたので私も久しぶりにある場所に行った。


木の下にあるそこに私は背もたれる。



｢久しぶりだねぇ…ねぇ。私に同居人が出来たんだ｣



今まで起きたことを伝える。







｢あのね、私の同居人。織田作の事を知ってたよ。｣


｢あの娘は織田作が居なければ今の私も居ないって云ってくれた。｣


｢織田作の事をかっこいい人と云ってくれたのだよ。｣


｢佳い子なんだよ。｣


ヨコハマにしては佳く見える星空を見つめながら話し続けた。






《佳い同居人を持ったな》






そう声が聞こえた気がして振り返る。


誰も居ないのに、まるで織田作がそこにいて話をずっと聞いてくれる様な気がした。





｢ありがとう｣

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