異能力【夜明け前】弍

桜が綺麗ですね ページ30

私が脚を運んだのはあの裏路地。



中也と初めて会った場所。



なんか、懐かしいかな…



私はそこに《桜が綺麗ですね(私達はまたここで逢いましょう)》と描いたメモを桜の華と一緒に置いた。


さて、海辺でも行こうかな。






来たのはあの安吾がハーマンを逮捕した所だ。


夜だからか、人は居ない。


静かで満月が海を照らしている。


なんか、疲れたなぁ…


死んだと思ったら太宰さんに拾われて、出来るだけ物語を変えたくないからと、武装探偵社から逃げた。


なのに、逃げた先で中也と会う。


中也の家で寝ると異能力暴走。


武装探偵社に入社。


凄い事だなぁ。


トリップしたんだ…


死んだなんて、現実味が無さすぎて信じられない。


なのに、車に当たった瞬間の傷みは未だに思い出せる程強いものだ。


思い出すと身体がぶるっと震える。


ダメだ。考えるのは止そう。


そーいえば、太宰さん。気づいたかなぁ？まぁ太宰さんにしては簡単な問題だっただろうな。



なんて思いながらベンチに座り、脚をばたつかせる。


『それにしても、このブーツ…』


このブーツ。絶対島崎藤村のだ。


前世、文豪ストレイドッグスの他に文豪のゲームがあった。そのゲームに出てくる島崎藤村の履いていたブーツ。そのものなのだ。


いちよ、私もそのゲームをやっており、私の先祖である島崎藤村のキャラクターに惚れたのだ。


声も好きな人だったんですよ…(ﾎﾞｿｯ



まぁ何故、文豪ストレイドッグスの世界に他ゲームのモノが出てくるのは置いておく。


だが、ブーツがあるなら他のもあるはずだ。


これから、島崎藤村の一式を揃えよう。


そう決心した瞬間隣にどかっと誰かが座った。


びっくりしながらも隣を観ると大好きな丹色の髪の毛が。



逢いに来てくれたんだ…中也。

プレゼントのマントは…→←白色のダリア

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