異能力【夜明け前】

島崎少女は何ものなのか。 ページ30

side無し



肩からコートを掛けた2人の男女はバイクに跨り走り出す。



2人が肩から掛けたコートは風に乗せて揺らぐ。


｢夕飯何がいい｣


｢中原さんは料理出来るんですか？｣


｢中原さんって呼ばなくていいぞ。中也でいい。俺は料理は一様出来るが｣


｢中也…中也さんの手料理が食べたいです！｣


｢手料理か…折角だから美味しいの食わせてやる。｣


｢やった！楽しみにしてますね｣



2人は幸せそうに笑う。





何人もの人物が少女を探している事を知らずに。


少女にコートを授けた者は名前を呼びながら。


少女と一緒に保護された者はヨコハマの端から端まで走りながら。


少女と歳が近い少年は街の人に聞きながら。


少女にウソを暴かれた爆弾魔役と人質役の兄妹は、所々の監視カメラを見て回りながら。


世界一の探偵は少女の放った言葉の意味について考えていた。





裏の世界の首領(ボス)は、部下達に少女について調べさせる。


だが、なにも出てこない。


少女の祖父。島崎藤村の事を調べていても孫の島崎Aには辿り着かない。





少女は陽のあたる場所の人になるのか。


それとも、陽の当たらない陰で生きていく人になるのか。

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