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6#また、なみだ ページ8

Aside





開いたままの前のドアから教室に入る。




あれ、この人影…




「「あ」」




国見君がいた。






「どうしたの?」



「あぁ、ちょっと落し物して。」






このハンカチ探しに来たんだ。

渡さないと。






カラカラになった喉から声を出す。



「あのね…もしかして、これ?」




「あ!ありがとう、どこかに落ちてた?」




ふっ、と息を吐き出して、国見君がお礼を言ってくれた。





「…廊下に、落ちてたの。つくえに置いておこうと思って、来たんだけど…」



よかったね、と私はほほえむ。





「じゃあね、また明日」



私は教室をあとにする…つもりだった。



その時。

「あの」




呼び止められて、私の心は大きく揺れた。




「はっ、はい?」



「…大丈夫?」







…え?






「また、なみだ…」




言われて気がついた。





どんどん、視界が曇っていく。




頬に流れた熱い雫。次々とこぼれていくなみだに、あぁ、強くなれない、と唇を噛む。





辛いよ、苦しいよ。







でも

甘えてちゃいけない。





いつまでも、弱いままじゃいけない。







「大丈夫、大丈夫。」






私はいつもの言葉を呟いて、自分に言い聞かせた。





「でも…」




何か言いたそうな国見君のこんなささやきが







“…我慢しないで。”






耳元で聞こえた。






何?




気がつけば、私は国見君の腕の中にいた。





「泣いてる女子ほっとくほど、無気力じゃないよ。」





国見君らしい慰めとその腕の中の暖かさに安心して、私はまた、泣いた。








「ごめんね、もう大丈夫。ありがとう」





すっかり国見君のジャージが濡れ、色が変わってしまったところで、私は頭を下げた。




「いいよ、全然。気をつけて帰ってね。」




そのまた優しい言葉が心にしみて、私はポツリとつぶやいた。







「国見君は、優しいね。」






「ん?何か、いった?」




聞こえてなかったようで、少しホッとする。





「ううん、ありがとう。じゃあ、また明日。」

「また明日。」






返してくれた国見君の挨拶を心でかみしめながら、教室を後にした。

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- 交互で書いているので難しいのだとは思いますが、話の繋がりがありません。だからか、何の話をしてるのか分かりません。また、過去話をして無理矢理引っ張っているように感じます。 (2022年9月19日 7時) (レス) id: b801214b17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はにー&乙女百合 x他1人 | 作成日時:2016年3月23日 12時

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