俺の隣には小さな桐の木【国見英】

１９＊一言の謝罪 ページ21

Aside


き、気まずい。


一緒に教室を出てから
国見君と一言も話していない。

教材も私より多く持って貰ってるのに
凄く申し訳ない。


一言「ねぇ、」と話しかけられたら...


それから、何度も話しかけようとして
やっぱり無理の繰り返し。

結局、何も話さないまま
教材室についてしまった。



国見君は無言で教材を戻していく。

私も片付けようと
手を進めて教材を戻す。





しかし此処で問題発生。


私の背を遥かに越える棚の上に
返さないといけない教材。

１６０�も無い私にとって
手を伸ばしてつま先立ちをしても届かない。

新手のいじめか。
国見君にこれ以上頼むのも...


そう思った矢先
横からヒョイっと教材を取られた。

見ると国見君しかする人が居なくて
無言で教材を棚の上にのせてくれる。


私はお礼を言わなきゃと
顔をあげるとパチッと目が合う。

それだけで私は固まってしまった。


国見君はそんな私を見て口を開いた。
けど、その言葉に私は固まってしまう。



だって...貴方が

「...あの、ごめん」



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿謝ったから。

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