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FILE.20 十年前からの約束 ページ29

「どうぞお掛けください。今タオルを持って来ますので…」
「あ、すいません…」
そう言って店の奥からタオルを取ってくる。

彼女が髪を拭き終わったところで、僕は自己紹介をする。
「申し遅れました、私、神崎椎那と言います」
「あ、はい!私はフサエ・キャンベル・木ノ下です!フサエと呼んで頂いて結構です」
彼女の名前はフサエさんというのか。
「では私のことも椎那と呼んでください」
そう言って僕はケーキを取り出す。
「よかったらどうぞ。お口に合うかわかりませんが…」
取り出したのはチーズケーキ、チョコケーキ、ショートケーキ。ちなみにオススメはコーヒーケーキ。
「あ、すいません!こんなにしていただいて!」
ふむ。なかなか謙虚な人だ。
「気にしないでください。今日始めたばかりの売れ残りなので」
そう言うと彼女はケーキを食べる。
チーズケーキか。この中でも一番美味しいと思う。
彼女は目の付け所が違う。
「す、すごく美味しいです…こんなに美味しいケーキ、生まれて初めて食べました!」
大絶賛のようだ。
「それは良かったです。作った甲斐がありました」
そう言うと彼女は、「本当に美味しいですよ!」と言う。
「ふふ、元気になりましたね?」
僕がそう言うと、彼女は顔を真っ赤にして俯く。
「……はい、ありがとうございます。椎那さんのおかげで元気が出ました!」
そう言い、彼女は笑顔を見せる。
「貴女は笑った顔の方が似合います。十年、二十年後、笑って過ごせたらいいじゃないですか」
彼女は顔を真っ赤にしながら「十年後…」と呟いている。
「よし!椎那さん、もし私が有名になったらコラボしてくれませんか?」
スッキリした顔で言う彼女。
「コラボ…ですか?」
「はい!今はまだ無理ですけど…いつか私がデザインしたものが有名になったら、ここのケーキとコラボしてください!」
そう笑って言う彼女に、僕の返事は決まっている。
「ええ、喜んで」

〜〜〜〜〜〜〜

「それであの件なんですが、私は滅多に店を開きませんけど、よろしいのですか?」
フサエさんにそう言う。
「大丈夫です。実は私、雑誌のインタビューでここのことを言ったのです」
迷惑だったでしょうかと聞いてくるフサエさんに、大丈夫だと伝える。
「それで『幻のケーキ屋と一日限定のコラボ!』みたいなことを言いまして…」
「…まあ大丈夫ですよ。十年前からの約束なんですし」

その後、コラボについてどうしようか話し合った。

FILE.21 イチョウ→←FILE.19 幻のケーキ屋


ラッキーキャラ

黒田兵衛


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香椎 - ひまりさん» ありがとうございます。更新速度は遅くなるかもしれませんが、なるべく早く更新するようにします。 (2018年5月20日 12時) (レス) id: 45135d60bf (このIDを非表示/違反報告)
ひまり - 面白いです。更新頑張って下さい! (2018年5月20日 11時) (レス) id: 04e3f5630b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:香椎 | 作成日時:2018年5月18日 5時

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