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座るところ、ないかな…
集合時間20分前
することもないくせに無駄に早く来てしまったのを
後悔してた。
慣れないハイヒールに
足はすでに悲鳴をあげてて、
ここに来るまでに何度かよろめいてしまって。
メイクも髪型も服も
バッチリ決めてきた、はず。
人がいつもより多く感じるのはそう、
今日がクリスマスだから。
「あの、」
「はい?」
駿佑「鈴橋、先輩ですよね?」
「あ、道枝くん。」
その場にいたのは
同じ図書委員の後輩、道枝くんだった。
駿佑「俺、ジャン負けなんです。すいません。」
2学期から転校してきたという彼は
流星くんと同じ関西なまりで、
駿佑「でも、頑張るんでお願いします。」
多少の親近感があった。
駿佑「なんかいつもと雰囲気ちゃいますよね?」
「あー、メイクかなぁ。」
駿佑「ほんまや、すげぇ。」
髪型も学校とは違うはずの私に
どうして気づいたのか、
彼を不思議に思ったりもしたけど
駿佑「デートですか?」
「え、」
そりゃあ当てられてもおかしくない、
クリスマスにこんな格好をしているのだから。
「…まぁ、ね。」
駿佑「へぇ、
彼氏さん見てから帰ってもいいですか?」
「ん?いいけど…」
私にとってそれは
"関西の軽いノリ"ってやつだった。
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作者名:鈴花...♪*゚ | 作成日時:2018年8月14日 11時