FILE.46 ミステリートレイン〈終点〉 ページ10
「ええ!?哀ちゃんのお兄ちゃん!?」
僕が志保の兄だと告げると、さっきまでのプレッシャーはどこへやら。
有希子さんがすごい食いついてくる。
「なんでお兄ちゃんがここにいるの!?」
志保が少し怒り気味に聞いてくる。
「志保が心配で来たんだよ…まぁ、実際危なかったし」
そう言うと「うっ…」と黙る志保。
「あ、有希子さん。あなた方の作戦の方は、大丈夫ですか?」
「え?いっけなーい!すっかり忘れてたわ!!」
そう言って駆け出す有希子さん。忘れたらダメだと思うよ。
「あ、一つ聞いていい?」
出て行く間際にそう聞いてくる。
「何ですか?」
「どうして私の名前を知っていたのかしら?」
どうしても何も。
「以前会ったことがあるからですね。それより早く行かないと…時間ないんじゃありませんか?」
そう言って有希子さんを追いやる。
驚いた顔をしていたが、そういえば僕、有希子さんに会った時は変装していたね。
「で、お兄ちゃん。もしかして今日のこと知ってたの?」
あ、志保が怒ってらっしゃる。
*******
『バーボン…それが僕のコードネームです…』
そう言う安室君。
あの後コナン君が来た。
僕がいることに驚いていたが、そこは割り切っていた。なんでだ。
コナン君は、快斗君が志保に変装しているから、何と答えればいいのか教えてやってくれと志保に言った。
志保はとりあえず了承し、今も携帯を通して伝えている。
僕は特にすることもないので、志保を膝の上に座らせ、頭を撫でる。
ちょっと文句を言いたそうだったが、今は通話中で無理だ。
…なんか久しぶりだな、志保を撫でるの。
昔はよく撫でていたのになぁ。思春期か…。
……千葉県の有名な兄妹が出てきたが、人生相談なんてないだろう。
どちらかと言うと、成長についてかな?
そんなくだらない事を考えてしまい、ついクスッと笑ってしまう。
……ホントくだらないね。
とその時、爆発音が聞こえた。
終わったかな?
フラグにしかならない言葉を呟きつつ、志保を見やる。
いつの間にか寝ている……。
さっきの爆発により、列車は近くの駅に停車した。
僕は寝ている志保を抱え、迎えに来た阿笠さん達と一緒に降りた。
今日は最悪で最高の日だったな。
FILE.47 レシート→←FILE.45 ミステリートレイン〈急行〉
70人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
香椎 - 姫歌さん» ありがとうございます。なんとか完結まで頑張ります! (2018年6月18日 19時) (レス) id: 45135d60bf (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 面白いです。更新頑張ってください! (2018年6月17日 21時) (レス) id: 615f42e683 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:香椎 | 作成日時:2018年5月25日 7時