FILE.55 猫耳 ページ19
コーヒー、カフェオレ、カプチーノ…エトセトラ。
それは日々の疲れを癒し、心身ともに温めてくれる飲み物。
そしてこの喫茶店『ポアロ』のコーヒーも、例外ではない。
「いらっしゃいませー…って椎那さん！最近よく来ますね！」
そう聞いてくる梓さん。
彼女もまた、この喫茶店での癒しである。
「えぇ、しばらくは暇なので…今日安室君は？」
「確か知り合いのお見舞いに行くと言っていましたよ！」
自由だね、安室君。
「へぇ、そうなんですか…あ、いつものお願いします」
「はい、アイスコーヒーですね」
いつの間にか『いつもの』で通じるほど、ここに通っていた。
まぁ、常連ってことだね。
＊＊＊＊＊＊＊
しばらくボーっとしていると、不意に携帯が鳴る。
相手は明美のようだ。
「もしもし？」
よく思うけどもしもしって何だろうね。申し申し？
『もしもしお兄ちゃん？今から来てくれない？』
どうやら用事があるようだ。
とりあえず今から行くと言い、電話を切る。
お会計を済ませ、僕は足早に明美の元へ向かった。
＊＊＊＊＊＊＊
「……明美？」
「え、と……」
僕は今、非常に混乱している。
「……猫耳？」
「うぅっ……」
そう、明美は猫耳を生やしていた。
着けているのではなく、生やしている。
こんな展開、誰が予想できるだろうか。
「いくらなんでも猫耳は……」
「違うからね！？私がやったんじゃないからね！？」
ふむ、何故こうなったか整理しよう。
明美によると、朝起きてたらこうなっていたらしい。
……整理するまでもないね。
「とりあえず寝て起きたら元に戻ると思うよ」
「本当！？」
うん、多分。
「ところで唯君は？」
僕は明美に聞く。
まぁ、いてもいなくても変わらないんだけどね。
「唯さんは何か用事があるって…」
「そう…」
僕は流石に、このままの明美を一人にするわけにはいかないので、今日は泊まることにした。
「ふふ…お兄ちゃんあったか〜い！」
耳をピコピコ動かし、抱きつきながら言う明美。
ご飯とお風呂を済ませ、いざ就寝というときに、明美が「一緒寝ていい？」と言ってきたのだが……
「お兄ちゃ〜ん！」
これでいいのだろうか。
いくら兄妹(義)とはいえ、流石に抱きつかれるのは…。
「ふへへ…」
まぁ、幸せそうだしいいか。
そう思い、明美を抱き締めながら眠りにつく。
いい夢見れるかな？
翌朝、明美は元に戻っていた。
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香椎 - 姫歌さん» ありがとうございます。なんとか完結まで頑張ります！ (2018年6月18日 19時) (
レス) id: 45135d60bf (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 面白いです。更新頑張ってください！ (2018年6月17日 21時) (レス) id: 615f42e683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：香椎 | 作成日時：2018年5月25日 7時
