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FILE.52 唯青年 ページ16

「あれ、唯青年?」
今日も今日とて街を徘徊していると、唯青年を見つけた。
いや、今は変装をしているから違うか。
「げっ…お久しぶりです椎那さん」
今思いっきり嫌がってたね。
「『げっ』はないでしょ。それに今は玲だから」
「すいません…それで玲さんは何してるんですか?」
お、よくぞ聞いてくれました。
「暇だから明美に会いに行ったんだけど、いなかったから街を徘徊してたんだよ」
そう言うと「あー」と言う唯青年。
「ちょっと今日は買い物に行ってまして…」
目を泳がせて言っている。
「二人で?」
僕はものすごい低い声で言った。
「え、えと…「二人なんだね?」……はい」
観念したように言う唯青年。
「で、明美は?」
「さっきデパートの方に行きました…」
デパートかー…よし。
「それじゃ行こう!」
僕はそう言って、唯青年を引き摺ってデパートへ向かう。
「ええ!俺も!?」
唯青年、君に拒否権はないのだよ。

*******

「明美!」
僕は明美を見つけて、そう呼ぶ。
ちゃんと周りを確認して言ったから大丈夫だ。
「お兄ちゃん!?何でいるの!?」
え、その言い方は傷つくよ?
「いや、街で唯青年を見つけてね。それで明美がここにいると聞いたんだ」
「そうなんですか?」
明美が唯青年に確かめる。
「そういうことです……っていい加減、唯青年呼びをやめてください」
「え?ああ、光君と呼んだ方がいいのかな?」
唯青年の偽名で呼んでみる。気にしてたのかな?
「それ以前の問題ですけど…」と呟いているが、唯青年は唯青年だ。
心の中では呼び方は変えない。
「で、明美は何をしてるの?」
ここは男性服売り場。
明美に用はない筈だ(願望)。
「プレゼントを買いに来たの!」
照れながら言う明美。
誰だ!誰のプレゼントだ!!
「お兄ちゃんもうすぐ誕生日でしょ?」
そう言う明美。
僕は勿論、最初から疑ってなかったよ?
「あと、唯君にも」
「俺にですか?」
唯青年。君にはお話()が必要だね。
「唯君、いつも同じ服を着ているから…」
「そんな…ありがとうございます」
おい、兄の目の前でイチャつこうとはどういう了見だ。
それと明美、いつの間に唯君呼びになったの?
「じゃあ僕は用事があるから、またね?」
「うん、バイバイお兄ちゃん!」
「はい、また…」
そう言い僕は立ち去る。
唯青年にすれ違い際「背後に気をつけて」と忠告しておいたし、大丈夫だろう。

……さあ、一仕事やりますか。

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香椎 - 姫歌さん» ありがとうございます。なんとか完結まで頑張ります! (2018年6月18日 19時) (レス) id: 45135d60bf (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 面白いです。更新頑張ってください! (2018年6月17日 21時) (レス) id: 615f42e683 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:香椎 | 作成日時:2018年5月25日 7時

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