【CS】君と、もっと。【泡沫の天使】

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【生い立ち】

＊家族構成

現在は、血の繋がっていない父と母がシエルを引き取って面倒を見てくれている。

実の両親の所在を本人はわかっていない。彼女は両親に会うつもりはもう無いし、両親のことは苦手意識がある。幼い頃の両親の彼女への言葉が彼女の現在の人格形成に深く関わっている。

元々の名前はフェリシティではない。フェリシティは現在の父と母がつけてくれた名前。本人は気に入っているし、自分を物のように扱ってきた本当の両親の苗字よりも、今の両親の与えてくれた名前を大切にしたいと思っている。


＊過去

彼女自身はまだ幼かったので細かいことは覚えていないが、シエルはとある裕福な商人の一族の娘。

父は元々の家業を引き継ぎ、自然な流れでシエルの祖父に当たる人物から当主の座を相続した、大きな商家の新たな当主。母はとある裕福な家庭の生まれかつモデル。2人は所謂政略結婚。特に深い思いがあった訳ではなく、あくまで自分の利益のために結婚した。何年一緒に過ごそうと別に愛情が芽ばえるわけでもなく、ただ使命感と義務感によって結ばれた関係だった。

愛情など皆無な夫婦関係だったが、父は跡継ぎを育てなければいけないと考えた。そうして生まれたのがシエル。母にそっくりな綺麗な顔立ち。商売には見た目も大きな武器となる。そう思った父はシエルに大きすぎる位の期待を抱いていた。しかし、育ててみるとシエルは驚くくらいに父にとっては出来が悪かった。元々無表情であまり表情が豊かではないシエル。計算などは得意だったが、愛想も愛嬌もなく、人と話すのも苦手だった。そんな彼女に父は、期待を裏切られたなどと心無い言葉を浴びせ続けた。

とある日父は、跡取りをシエルではなく、別の子供にすればいいと考えた。自分と血が繋がっている子供をもう1人作ればいいと。

それに考えついた父にとって、シエルは必要のない邪魔な存在になった。結果、多額の寄付金と共にとある田舎の孤児院に預けられてしまった。

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