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次の日。
何と今日は、四十年前の伝説のイナズマイレブンと練習試合をすることになった。響木がかつてのチームメイトを河川敷に呼び寄せたようだ。
左胸にOBと書かれた紫のユニフォームを着た稲妻町で見覚えのあるおじさんたち。彼らが伝説のイナズマイレブンである。刑事の鬼瓦はジャージ姿で、どうやら今日は本業ではなく審判をするために来たらしい。
｢夢みたいだ、イナズマイレブンとサッカーができるなんて……！｣
まだ見ぬ彼らのサッカーに胸を膨らませた円堂が紡ぐ。自身の祖父が監督として率いていたチーム。そうでなくても、伝説とまで呼ばれたイナズマイレブンと試合が出来るのだから、滾らないはずがなかった。
｢四十年ぶりの、伝説復活か！｣
｢何が飛び出すか、楽しみだな！｣
風丸と土門をはじめ他のメンバーも期待を隠せない様子だ。準備運動をするイナズマイレブンをじっと見つめていた。
｢どうだ備流田、走れるか｣
｢おう、バッチリだ！｣
響木の言葉に、備流田と呼ばれた強面の男が答える。彼はよく商店街ですれ違うと挨拶をするくらいの間柄だが、まさかイナズマイレブンだとは。そして、それだけではない。
｢生活指導の、菅田先生！｣
｢あの人がイナズマイレブンだったなんて、大スクープですよ！｣
｢駅前の紳士服店のご主人もいます！｣
｢理髪店の髪村さんも……｣
四十年経ってもメンバー全員が稲妻町に留まっているというのは、すごい偶然である。このように見覚えがあるのも、彼らが日常に溶け込んでいるからということだろう。
｢おはよう皆さん｣
｢あ、夏未おはよ〜｣
驚いていると、夏未が執事を伴い歩いてきた。彼女の日傘を持っていた執事は、丁寧に閉じて両手で渡す。
｢お嬢様、今日は休暇をいただきます｣
彼が燕尾服を脱ぐと、その下にはユニフォームが。
｢バトラー、あなたが……？｣
まさかと思って見ていたら、彼もまたイナズマイレブンの一員であった。ここまで身近な人で伝説のメンバーが揃うとは、完全に予想外である。
雷門サッカー部のOBたるイナズマイレブンと、新生雷門サッカー部。両者がぶつかり合う夢のような試合は、一体どのような展開になるのだろうか。
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作者名：おひめ | 作成日時：2022年9月24日 12時
