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放課後、豪炎寺と病院に向かう前に鉄塔広場に立ち寄った。夕焼けに照らされた住宅街や商店街が目の前に広がる。
｢いい景色だよね〜｣
｢そうだな。ここにはよく来るのか｣
｢まあぼちぼち？｣
円堂の特訓に付き合う時は、大体ここか河川敷だ。今の追い詰められている豪炎寺にそれを言う必要はないから、黙っておく。
視線を感じてそっと隣を見上げると、ばちりと目が合った。
｢どうしたの？｣
｢……いや、なんでもない｣
今の微妙な間はなんだ。首を傾げていると、そっと頭を撫でられる。
｢悪いな｣
｢……へ｣
｢お前にはいつも、心配ばかりかけている｣
なんだ、そんなことか。唐突な謝罪に一瞬息が止まったではないか。本当にこの幼なじみは、人に気を遣いすぎだ。
｢幼なじみなんだから、心配するのは当たり前でしょう｣
｢幼なじみ、か｣
｢え、違うの！？｣
｢今は、幼なじみだな｣
｢これからわたし縁切られるの？ そんなことされたら泣いちゃう｣
｢逆だ、今更縁を切るなんて有り得ないだろう。…お前が泣くのか？｣
逆、の意味はよくわからないが、どうやら縁は切られないらしい。それよりも豪炎寺は、Aが泣く方が気になっている。
｢わたしも泣くときには泣きますけど〜｣
｢見たことがないから、驚いてな｣
｢そうだっけ？｣
大人になったら泣きたくても泣けなくなるから、その癖がぼんやり覚えている前世からついてきてしまったのだろうか。思い返してみると、たしかに人前で泣いたことはない。記憶にある限りだが。
けれど、豪炎寺に縁を切られたその日には遠慮せず大声で泣き喚く所存だ。
｢だから縁は切らないと言ってるだろ。……俺にとっても、お前は大切なんだ｣
｢えへへ｣
｢何をニヤニヤしているんだ｣
｢やっぱり修也かわいい！ ぎゅーしちゃお！｣
｢やめろ｣
逃げられた。
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久しぶりに映画のグリフォンを見ました𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
やっぱりイナイレはいいですね。
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作者名：おひめ | 作成日時：2022年7月14日 17時
