【utit】甘く甘く溶けるまで (ページ6)

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『何してるんよぉ〜』

少し開いた扉の先に引き入れられ、つまづいた私を抱きとめた坂田さんは腕に力を込めながら半分独り言のようにそう言った。

程なくして離された体は肩だけを掴まれていた。
先程までライブをしていたからかいつもより熱っぽい瞳に見つめられた私は

「えへへ、、きちゃった」

『来ちゃったてへ、じゃないんよぉ！！もぉぉぉお！どしたん？どゆこと？』

「実はチケット当たっててね？内緒で行こ〜って思って！よく気づいたね？」

『そりゃあ、何週間も会えてない愛しい愛しい彼女が俺の色のペンライト振って、かわいいカッコしておったらどんなとこにおっても見つけるよ』

『あ〜会いたかったあ〜』と言いながらまた抱きしめる。
かと思いきや『俺まだシャワー浴びてなかった！！ごめ！臭くない！？』と言い勢いよく離れる。

とりあえず座ろか？と部屋の奥に置かれたソファに腰掛ける。
疲れているのか彼はうなだれてしまった。

「ごめんね？疲れてるよね？私先帰るね？」

『あーいや、ちゃうくて、帰らんとって』

そう言いながら手首を掴まれ、そのままの勢いでソファへ押し倒されるような形になった。

「坂田さん、、、？」

『ごめんA、俺ちょっとライブの後で興奮してて、A見つけてもうてから止まらんくって』

興奮している、その言葉の通り熱を帯びた眼差しを真っ直ぐに向けられ、私は逸らせなくなった。

『ねぇ、A。ちゅーしよ、、、？』

そう言い放たれたと同時に拒否権は無い様でその整った顔が近づく。
頭が追いつかないのと、坂田さんの可愛らしくも男らしくもあるその顔に見惚れてしまっていると、

『目ぇ、閉じて？』

あぁ、ここ楽屋なのにな、とか、バレたらどうしようかな、と考えながらも大好きな彼だ。
断れるわけもなく、受け入れて仕舞えば私も共犯。

その様子をこっそりとメンバーに見られていたのはまた別の話＿。