＊《忍たま》＊男装少女と忍たまたち(上級生より) (ページ46)

今日:33 hit、昨日:2 hit、合計:86,110 hit

44 利吉さんと再びページ46

利「もしかしたらタカ丸くんも関わってくることかもしれないけど、用があるのはAちゃんの方なんだ。ちょっと来てくれないか？」

というわけで私と利吉さんは屋根の上で喋っています。

利「それで、この間の城をもう一度偵察に行ってみたんだ。そしたらこの間よりも動きがあって・・・。Aちゃんが狙われていることは確実なんだ。だから、私が夜のうちは見回りしようかな、って思って来たんだ。もしものときのために。」

A「何を企んでいるんでしょうね。」

優しい声でAちゃんは言ったけど、目は鷹の目のようにらんらんと光っていた。

利「Aちゃんは怖くないの？」

A「私は女ですけど女じゃありません。そんなんじゃ怖がったりしませんよ。」

利「それは、本当の気持ち…？」

A「う…。」

利「もっと自分に正直になりなよ。いいんだよ、我慢しなくたって。確かに忍びの世界で我慢ができることは使える。でもね、今だけだよ、本当に我慢しなくて済むのは。正直に、正直に。」

A「本当は…本当は、凄く…怖いんです…。自分が…どうなるのかも分からないし…元々使用人だった城だから…また同じ生活に…戻るんじゃないかって…」

利「そうだよね。この先どうなるか分からない。だから今日、君を此処へ連れ出したんだ。」

A「どういうことですか？それ。もう、もう…う…会えないかもって…こと…う…ですか…？」
利「大丈夫。そうならないように何とかするから。でも、最悪の場合、そうなり兼ねない。」

Aの目からツツーッと温かいものが流れる。

利吉は人差し指の裏側で、そっと彼女の涙を拭き取った。

A「利吉さん…、私も…できる限りの…ことをします…。」

利「明日になったらちゃんと皆に話すから。それと絶対にAちゃんの身に危険なことが起きないよう、忍術学園の皆にお願いする。ね？」

A「私は、、私は、どうなってもいいんです。皆さんさえ無事ならば。」

Aは手の甲で涙を拭いながらそう言った。

利「それは私が許さない。」

A「…え？」

利「私は、君に惚れてしまったんだ。」

A「…////」

そう言うと利吉はAの顎をそっと持ち上げ、静かに顔を近づける。

Aはもう何をされるのかを悟り、顔が近づいてくるのを合図に目を閉じた。

利吉が唇を重ね合わせた。

二人はそのまま、今までより長く、熱く、甘い口吸いをした。