40 文鳥の『くぅ』 ページ42
A「(みんな、私に唇をくっつけてくるけど、何の意味があるんだろう?)」
座布団の上に座りながら、Aはさっき会ったことを思い返しボーッとする。
((コンコン
A「はい?」
八「竹谷だ。開けても良いか?」
A「大丈夫です。どうぞ。」
Aは片足を引きずりながら、もう一枚の座布団を取り、自分の座布団の隣に置く。
実はAは大の生き物好きで生物委員会に入った。
彼女が主に担当しているのは竹谷が見つけた文鳥だ。
怪我をしていても懸命に生きる姿に感動し、育てることにした。
その鳥は左の手根中手骨から先がなく、Aはその先を作る仕事(研究)をしていた。
いくつも試作品を作ってみたがあともうちょっとで失敗することが多かった。
しかし、怪我をしてからは部屋の外へ行くのが大変になったため、委員長代理の竹谷が文鳥と材料を持ってきて、手伝うようになった。
A「先輩、このあいだの続きやります。」
八「これとこれで良いか?」
A「はい。」
Aは何かを彫り始めたため、竹谷は暇になった。
仕方なく、籠から文鳥を出して撫でてやる。
八「おっ!今日も元気じゃないか?ん?そうだよ〜、もうすぐ君の羽が出来そうなんだ。そうそう、飛べるんだよ!楽しみだな。ハハハ!羽ばたく練習かい?偉いな〜!」
A「竹谷先輩は本当に生き物がお好きなんですね。」
木を彫りながらも時々文鳥の様子を見る。
八「なぁ、A。そろそろこの文鳥にも名前つけてやったらどうだ?その方がもっと可愛がれる。と言うか、可愛らしく見えてくる。」
A「そうですか?じゃあ『ハチ』で。」
八「犬みたいな名前だな、なんでそんな名前に?」
A「そりゃ、竹谷先輩が拾ってきたからです。」
八「やめとけ。」
A「じゃあ、文鳥の文に子をつけて『文子(ふみこ)』で。」
八「なんか潮江先輩みたいじゃないか。もっと良い名前思いつかないのか?」
A「じゃ、竹谷先輩はもっと良い名前思いつくんですか?」
八「うーん、そうだな。『小春(こはる)』なんかどうだ?」
A「堅っ苦しいですよ。なら、『くぅ』なんてどうですか?“クゥクゥ”鳴くから。」
八「良いんじゃないかな。」
A「先輩、出来ました!今度こそ飛べると良いですね。」
そう言うと彼女の小さな手が俺の掌の中の文鳥をすくった。
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留ちゃん命 - 面白いですね!応援してます! (2017年12月28日 19時) (レス) id: db1342be98 (このIDを非表示/違反報告)
白い狼(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます^ ^頑張ります! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 89377fca11 (このIDを非表示/違反報告)
千代 - 面白い!更新頑張って下さい! (2016年12月25日 15時) (レス) id: bb1fb43921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い狼 | 作成日時:2016年12月22日 16時