38 可哀想な後輩 ページ40
ー*食満side*ー
利吉さんからの話を聞き終え、皆解散して行った。
Aはみんなより少し遅れて部屋から出てきた。
足を引きずり、俯きながら自室へ向かおうとしているのだろう。
しかし、見ているだけではあまりにも可哀想だった。
肩から背中にかけてザックリ切られたにも関わらず、涙を流さずひたすら歩いている。
留「A。」
A「はい、何でしょう?」
何事も無かった様な顔をしているが、振り向くのも相当辛いはず。
見ている此方が辛くなる様な無惨な光景である。
しかし、声をかけたのはいいが、この後何と言おう?
考えときゃよかった。
A「食満先輩…?」
向こうからわざわざ此方に来させてしまった。
美しい色白の肌に薄く乗る眉がシワを寄せ、紫がかった瞳が心配そうに覗いている。
留「悪い。来させてしまって。」
A「いいんですよ。それより俺に何の用ですか?」
今、Aが“俺”と言って思い出した。
ここはどの学年も通る場所。
だから、決して彼女を女として見てはいけないことを。
留「ああ、Aを部屋まで送ってやろうと思って。」
どうすればいいか分からず、とりあえず脇を抱えた。
留「歩くぞ。」
A「はい。」
いつもの十倍ぐらいの時間をかけて、Aの部屋に着いた。
部屋には誰もいなかった。
A「ありがとうございます、食満先輩。わざわざ私なんかの歩く手伝いなんてしなくても良かったんですよ。早く行かないと、委員会活動にも遅れてしまいます。」
留「俺はやりたくてやったんだ。こんな怪我を負った後輩は見てられないからな//」
A「食満先輩ってやっぱり優しい先輩ですね。私も食満先輩みたいな優しい先輩になりたいです。((微笑み」
留「…///…Aも、やっと笑うようになったな。俺はAは笑っていた方がずっと良いと思う…///(ああ!変なこと言っちゃったよ俺)」
A「そうですか。」
心臓がいつもより速く動く。
体の中もだんだんと熱くなってくる。
どうしてだ?いつもならこんなことにならない。
どうやったらおさまるんだ?
目の前の忍たまがとても小さく、弱く見えてきた。
ただ、俯いているだけかもしれないが、助けを求めているようにも見えた。
A「食満先輩…⁉」
俺はいつの間にかAを腕の中に入れていた。
留「俺が、お前を、守る。」
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留ちゃん命 - 面白いですね!応援してます! (2017年12月28日 19時) (レス) id: db1342be98 (このIDを非表示/違反報告)
白い狼(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます^ ^頑張ります! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 89377fca11 (このIDを非表示/違反報告)
千代 - 面白い!更新頑張って下さい! (2016年12月25日 15時) (レス) id: bb1fb43921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い狼 | 作成日時:2016年12月22日 16時