＊《忍たま》＊男装少女と忍たまたち(上級生より) (ページ21)

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19 笑わない理由ページ21

ー＊Aｓｉｄｅ＊ー
利吉さんには迷惑をかけてしまった。

だから傷ついているとほっとけない。

そう思って私は布のハギレを巻いている。(これからは喋るとき以外は一人称私にします。)

腕を動かすたびに自分の腕の傷は痛むけれどこれは我慢。

A「出来ましたよ。((ニコッ(頑張って笑ってみた)」

利「ありがとう//(笑うとこんなに可愛い、と言うよりも美人さんになるんだ)」

A「いえ、とんでもないです。そろそろ忍術学園へ帰りましょう。もう日も沈んでしましましたし。泊まる場所は私が見つけておきます。」

利「いいのに・・・。」

A「遠慮しないでください。山田先生も喜びますよ。」

利「うーん、じゃあお言葉に甘えようかな。・・・・・そういえば・・・、あの、全然関係ない話かもしれないんだけどね、あのさ、Aちゃんはなんで笑おうとしないの？」

A「えーっと、それはですね。(あぁ、思い出したくない！)私が、前使用人だったことは知ってますよね。それで・・・それで、使用人は・・・顔に感情を出すなと・・・厳しく言われてました。少しでも、笑ったり・・・泣いたりすれば、食事を抜かれたり・・・鞭で叩かれたり、狭くて暑苦しい部屋に投げ込まれたり・・・・・それにお母様とも会えなくなったこともありました。だから、多分私には笑わない癖が出来てしまったんだと思います。(お母様に会いたい！でも、あの時のことは思い出したくないし・・・)お母・・・様・・今頃、どうなさって・・・」

だんだんとあの竹谷先輩がいたときと同じ感覚が胸にこみ上げてくる。

利「A・・ちゃん・・・？ごめんね、悪いこと聞いちゃったね。悲しませてすまない。」

A「いいんです。」

もう日は落ちている。いつまでも喋っていられない。

私は自分の血のついた苦無を懐に入れ、利吉さんの袖を引っ張った。

A「忍術学園へ、帰りましょう。」