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2 その理由は… ページ3

俺は女だけどくノ一に入っていない。

その理由は…






俺はある城の使用人だった母から生まれた。

母は優しかったし、すごく心の強い人だったと思う。

俺は母が大好きだった。

だけど、母がどんなに頑張って働いても、城の人は何度も母を鞭で叩いたり、殴ったりした。

俺はそれを見ているのが辛かった。

そして何より、悔しかった。

この記憶は俺が3歳のとき。

このときすでに父はこの世にいなかった。






俺が5歳ぐらいのときからだったかな。

俺も母とお同じ様な仕事をさせられ始めた。

俺は大人みたいに体力が無かった。

でも、城のやつはそんなの御構い無しに俺に罰を与えてきた。

だから、俺は泣いた。

すると、城のやつはこう言ったんだ。

“使用人が顔に感情は出すな”

と。



そのときから俺は顔に感情を出さなくなった。

母は俺に、

“お母さんの前はいくらでも泣きなさい”

と言ってくれた。

でも、俺はそのときすでにそれができなくなっていた。




そうして何年も過ぎ、俺が10歳のとき。

母は言った。

“あなたには、どうやってでも生きてほしい”

母はそう俺に泣きながら言ったんだ。

そして母は自分が大切にしていた櫛を俺に渡し、

“お母さんのことはいいから、忘れていいから、逃げて”

そう言って俺を城の裏から逃した。




俺は走った。普通だったら泣きながらとか言うんだけど俺の場合は別。

だって、顔に感情出せなくなってたんだもん。

と言うか、顔に感情出さなくなってから、俺には感情というものがなくなっている気がする。



走っていたときはもう夜だったので、俺は木の陰で寝た。



次の朝、目を覚ますと近くで鎧の音がした。

まさかと思いながらも木の上に登りつつその方向を見た。

案の定、彼らは城の追っ手だった。

きっと俺が逃げたのが分かってしまったのだろう。

俺はそのとき気がついた。

母は大丈夫なのだろうか。

そのときあの言葉を思い出した。

“あなたには、どうやってでも生きてほしい”

俺は心に決め、まわりの追っ手は構わず気を滑り降り走った。

木の間、岩をすり抜け、川の中、どこに構わず走った。

体力が尽きるまで走った。

追っ手に襲われないように、走った。

とにかく走った。

走った。

全ては母の願いにそむかないため。

生きるため。

しかし、どんなに走っても追っ手はどんどん迫ってきた。

俺は思った。

“あぁ、もうダメだ。お母さん、ごめんなさい”

3 そのとき→←1 男装少女


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留ちゃん命 - 面白いですね!応援してます! (2017年12月28日 19時) (レス) id: db1342be98 (このIDを非表示/違反報告)
白い狼(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます^ ^頑張ります! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 89377fca11 (このIDを非表示/違反報告)
千代 - 面白い!更新頑張って下さい! (2016年12月25日 15時) (レス) id: bb1fb43921 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白い狼 | 作成日時:2016年12月22日 16時

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