18 利吉さんと ページ20
ー*利吉side*ー
A「利吉さん、大丈夫ですか?」
そう言いながら彼女は心配そうに私の顔を覗き込んだ。
利「私は大丈夫。心配しないで。それよりAちゃんの方が・・・。自分のことを心配した方がいいよ。」
そう、彼女の方が私よりひどい傷を負っている。
A「そうですか?」
そう言いながら彼女は腕から苦無を抜き取った。
また、血が溢れ出している。
着物もだんだんと赤く染まってゆく。
何か声を掛けたいけれど腹を蹴られたせいで、声を出せない。
Aは深く抉られた傷口を見つめている。
しばらく、私たちはそのままの状態で動かなかった。
A「利吉さん、大丈夫ですか?」
なぜ君は自分の心配をせずに私のことなんかを・・・。
あぁ!みっともない!
自分では無い彼女に傷を負わせてしまった・・・・。
助けに来たはずが助けられてしまった。
A「利吉さん・・・?あっ、そうだ!俺と一緒に忍術学園へ行きましょう。」
そう言いながら彼女は私の脇に肩を入れて立たせてくれた。
利「いいよ。私はAちゃんを送ったら帰るから。それと、私だけしかいないときは男っぽく喋る必要なんてないよ。」
A「そうですか?利吉さんがその方がいいとおっしゃるなら・・・。」
何故だろう。
何故、彼女は私を庇おうと思い、傷ついても涙ひとつ流さず、私の方を心配なんかするんだろう?
利「Aちゃん。なんであんなことをしたんだ?」
A「それは・・・私はいつも利吉さんにいつもお世話になっているし、恩を受けてばかりで、いつか返さないといけないと思ったからです。だけど、今回だけでは返しきれませんでした。あれ?利吉さんの二の腕・・・」
そう言って彼女は私の二の腕にある傷の周りをを色白の細い指でそっと撫でてきた。
利「あぁ、いいんだよこれは。自然に治るさ。」
A「ダメです!ほっといちゃ。あとで忍術学園の新野先生に治療してもらってください。それまではこれでなんとかなるはずです。」
そう言って、頭に巻いていた布のハギレを彼女は丁寧に私の二の腕に巻く。
利「そこまでしなくていいのに。」
A「ダメです!そのままにしちゃダメです!」
利「ハハハ、君は保健委員みたいだね。」
A「そんなことないです。((ムッ」
利「(怒ってる顔も可愛いらしいな。)」
ーーー続くーーー
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留ちゃん命 - 面白いですね!応援してます! (2017年12月28日 19時) (レス) id: db1342be98 (このIDを非表示/違反報告)
白い狼(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます^ ^頑張ります! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 89377fca11 (このIDを非表示/違反報告)
千代 - 面白い!更新頑張って下さい! (2016年12月25日 15時) (レス) id: bb1fb43921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い狼 | 作成日時:2016年12月22日 16時