11 お母さん、ごめんなさい ページ13
Aはハ左ヱ門に渡された文鳥を見て思い出した。
母が密かに飼っていた文鳥。
誰にも見つからないよう大切に育てていた。
しかし、そう長くはもたなかった。
見つけられた文鳥は、母の目の前で
殺された。
鳥の生きていた痕跡は、跡形も無くなっていた。
そのときの文鳥と手のひらの中の小さな鳥はよく似ていた。
あまりにも似ていた。
A「(なんだ、この気持ちは?勝手に足が震える。どうしてなんだ?)」
突然すぎる出来事にAは混乱した。
ハ「どうしたんだ?何かあったか?もしかして、鳥が嫌い?」
Aはその場で固まってしまった。
ハ「昔に何かあったのか?隠さなくていいから、何か言ってくれ!」
A「何もない、何もなかった。俺は何も思ってないし、鳥は嫌いじゃないですけど…」
背中に何か感触があった。
ハ左ヱ門が背中を優しくさすっていた。
A「(俺は、何がしたいんだ?まさか…泣きたい…いやっ、男はこんなことじゃ泣かない。そう、俺は男なんだ、俺は、
男なんだ。
泣くな、お願いだから泣かないでくれ。泣くな、泣くなッ、泣くんじゃない、バレたらもうおしまいだ。なんだ、何かがどっと溢れ出てくる。堪えろ、堪えるんだ、堪えて…泣かないで…
私。)」
ハ左ヱ門がAにぴったりと寄り添い背中をさすっている。
時々顔を覗き込んでは「大丈夫か?何かあったか?」と話しかけてくる。
Aの中から背中をさすられるたびに何かが出てこようとしている。
A「(お母さん、ごめんなさい。私、お母さんとの約束、守れないかもしれない。」
そう思った次の瞬間、Aの頰を温かいものが伝っていった。
ハ「A?」
静かに音もなく、頰を伝っていく。
ハ「A、もう何も隠さなくていいから。」
そういって竹谷先輩は私をそっと抱き締めてくれた。
私が忍術学園にきて、初めて感情をあらわにした瞬間だった。
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留ちゃん命 - 面白いですね!応援してます! (2017年12月28日 19時) (レス) id: db1342be98 (このIDを非表示/違反報告)
白い狼(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます^ ^頑張ります! (2016年12月29日 11時) (レス) id: 89377fca11 (このIDを非表示/違反報告)
千代 - 面白い!更新頑張って下さい! (2016年12月25日 15時) (レス) id: bb1fb43921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い狼 | 作成日時:2016年12月22日 16時