疑似恋愛ーAndroid1224ー最終章完結ー (ページ9)

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「おはよ。A」

「おはよ…、今日も早いね」

目覚まし時計を止めてから、
直ぐに起きたのに…

リビングには、爽やかな朝の空気と共に、マサキの気配で包まれていた

いつも通りに、用意されたテーブル

当たり前のように、マサキが着るようになった、リョウの服

「A」

鼻に掛かった優しい声
暖かい眼差し

思わず、『リョウ』と呼んでしまいそうになる

「時間、なくなるよ」

「あ…、うん」

向かい合わせに座って、
目が合うと、

マサキが笑った

「どうしたの？」

いつもの笑顔と、違う気がした

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「ねぇ…リョウの話、聞かせて」

「マサキ？」

「リョウはどんなことが好きだった？

…どんな風に話してた？」

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優しくて、いつも無邪気で…

可愛いマサキが、真剣な目をしてる

「どんなって……」

「ねぇ…教えて」

思わず息を飲んだ

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「オレ、リョウになりたい」

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マサキはいったい、

このセリフを、どんな気持ちで言ったんだろう

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どうして私は、

自分のことしか、考えられなかったんだろう

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