疑似恋愛ーAndroid1224ー最終章完結ー (ページ18)

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■Android38■ ページ18

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相変わらず暑い夏の日

バスから降り、久しぶりにその場所に向かう

細い道路を歩きながら、真横に続く高い塀を見上げた

あの日、舞い降りて来た
"天使"は今頃、どうしてるかな

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「お久しぶりです。あの、これ…」

持ってきた向日葵の花束を、ジュンくんに渡した

「ありがと。
ちょっとバタバタしてっけど、ゆっくりしてって？」

ニッと笑って…、忙しそうに部屋から出てった

「Aさん、お元気そうで」

たくさんの資料を抱えたショウさんが、
代わりに部屋に入ってくると話し出す

「本格的にね、Android事業始めるんで、ここ最近忙しくて」

「私、来て良かったんですか…今日は、そのマサキが…」

あれから、
ちょうど１年だから

「構わないですから…
ニノもサトシくんも会いたがってたし…それに…」

背後でドアが開いて

振り返った

そこにいたのは

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「ホントウルサイなお前は」

ニノくんがボヤいてるけど
私に気づくと

ちょっと得意げに口角を上げた

「ど…して…」

口元に当てた手のひらも、
声も震えてた

「Aっ！」

向日葵みたいな笑顔

声が出ないで立ち尽くす私を

ガバッと、
お日様の匂いのするマサキが

抱きしめてくれた

「身体はね、ほとんど作り直して…メモリーをね、リセットさせるか悩んだらしいんだけど」

ショウさんが、教えてくれた

「博士がね…、マサキは欠陥なんかじゃなくて、足りない所があるからこそ、人の気持ちを汲んでやれるんじゃないかって…」

声にならないから
ただ頷いた

マサキは、欠陥なんかなかったよ

私はマサキに出会えたから

こうして、生きていけてるの

マサキに言いたかったのに、

言えなかった言葉

やっと、伝えられる

「マサキ、ありがとう。
大好きだよ。

"マサキ"がいてくれて、良かった」

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