疑似恋愛ーAndroid1224ー最終章完結ー (ページ15)

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□Android35□ ページ15

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雲ひとつない、青い空が続いてた

眩しい日差しに、
照りつける太陽

マサキと出会った日も、
こんな日だったね

来るときに背負ってたリュックさえ、マサキが手元に置いてなかったって…、私気付いてなかったよ

どれだけ私は

"マサキ"を見ていなかったんだろう

私の後を黙って着いてくるマサキを、何度も振り返りながら歩く

坂道を下りながら、
いつしか真っ直ぐに前を向いて歩いてる自分に気付いた

何もかもに絶望して、
前さえ向けなかったのに

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バスを待ちながら、
後ろのマサキに、聞こえるように話し出す

「マサキ、ありがとうね。マサキといて、楽しかったよ」

マサキは何も言わない

「また、遊びにおいでね」

だけどもう…、会わない方がいいのかも知れない

心の中では、そう思っていた

しばらくの沈黙の後

マサキが、
私のシャツの裾を掴んだ

「やだよぅ…、オレ…帰りたくない！」

振り返った私に、
マサキの泣いた顔が飛び込んだ

「マサキ…、聞いて」

「お願いっ！オレ、もっと上手く、リョウになれるよう頑張るからっ」

縋るような眼差しが、胸に突き刺さった

「マサキ、そうじゃなくて！私といたら、マサキは！」

私の事も見ずに、イヤイヤする姿は、小さな子供みたいだった

無理矢理、母親から離されそうになって泣いてる……そんな風に映った

ここまで、私は、
マサキを追い込んでいたんだね

マサキを落ち着かせたくて、
抱きしめようと向き合った時だった

掴んでたシャツが離れて、
マサキは慌てて、私に手を伸ばす

その拍子に腕がぶつかって……

キラリと光って、

何かが飛んだ

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何が何だかわからなかったけど

直ぐに気付いた

バスの向かって来る車道に

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「ユビワ！」

そう叫んで、マサキが飛び出したから

本当に、一瞬の出来事だったんだ

止める間も

叫ぶ間もなく

ドオンっと…、固いもの同士がぶつかるけたたましい音が響いて

マサキが、道路の真ん中で

倒れ込んでた

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