疑似恋愛ーAndroid1224ー最終章完結ー (ページ12)

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■Android32■ ページ12

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「マサキ、お前が行きたいんならさ？虫取り付き合ってあげてもいいけど」

外に出たがらないニノが、珍しくそう言い出すから、思わず笑った

「なにそれ…、別にいいよ」

「人のせっかくの行為を」

ブツブツニノは言うけどね

何となく、言いたいこと伝わってるよ

ここんとこさ、
交代で誰か来ても、オレをどこかへ連れ出そうとしてくれるんだ

オレは、ちゃんとAといろんなとこ行ってるのにね

「ニノ、オレ大丈夫だよ」

うぅーんと背伸びして、
体を伸ばす

ジャストサイズのシャツもスキニーのパンツも、

気に入ってるし、
格好いい

鏡で見ても、似合ってるって思うもん

「……マサキさ…、楽しい？」

「サトシくんにも、それ聞かれたよ」

あひゃひゃと大袈裟に笑ったのに、ニノは真剣な目をしてた

「あのね…、ニノ。」

ニノと真面目に向き合うなんて初めてで、ちょっと照れくさい

「いっぱいいっぱい考えたんだ。寂しいオレと、寂しいAはおんなじなの」

「マサキ…」

「一番自然だって、そう思わない？」

ニコッと笑って見せると

ニノは、オレのオデコを弾いた

「なんか生意気」

「…、そう？それにね。

ちゃんと楽しいよ？」

ホントだよ
嘘なんかじゃないよ

だってね

Aは、オレを必要としてくれるんだもん

それってね

最高に嬉しいの

自由に外を歩くより、誰かに頼られるって

ああ～…

"生きてる"って、思えるんだ

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